出版社内容情報
バイオリン弾きのおじいさんはひとりぼっち。ある日、1匹のミツバチがやってきておじいさんに羽でひけるバイオリンの曲を教えてほしいと言います。ミツバチは一生懸命、練習を重ねますがある日突然、姿を見せなくなってしまいます。
西本鶏介[ニシモトケイスケ]
西本鶏介 / 1934年奈良県生まれ。昭和女子大学名誉教授。児童文学評論、民話研究、創作と幅広く活躍。絵本に『おじいちゃんのごくらくごくらく』『まよなかのたんじょうかい』(以上、鈴木出版)、『お母さん、ひらけゴマ!』(ポプラ社)など多数。
おぐら ひろかず[オグラヒロカズ]
おぐらひろかず / 東京都生まれ。'92ボローニャ国際絵本原画展最優秀イラストレーター賞受賞。『てをつなごう』(月刊絵本/鈴木出版)、『しろがはしる』(ポプラ社)、『ぼく、まってるから』(フレーベル館)、『にじ・じいさん』(BL出版)など多数。
著者等紹介
西本鶏介[ニシモトケイスケ]
1934年奈良県生まれ。昭和女子大学名誉教授。児童文学評論、民話研究、創作と幅広く活躍
おぐらひろかず[オグラヒロカズ]
東京都生まれ。’92ボローニャ国際絵本原画展最優秀イラストレーター賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ
159
丘の上の白い屋根。海を見下ろす草原。バイオリンの音色に合わせて靡く一面の夏花にミツバチが舞っている。一息入れたおじいさんのティーカップから聴こえてくる素敵な羽音。花が枯れる頃、私の命も終わりです。おじいさんの奏でる美しい音色を教えてください。大切な蜜をくれた花にお礼を贈りたいのです。勇敢で繊細な銀色の線を持つミツバチの思い。カップに感謝の蜂蜜一滴を残して去っていく。今日も草原から空高く舞っている。目を瞑り心の音が響き渡れば、どんな悲しみも癒されていくのだろうか。また聴こえてくるはずの羽音を待ち続けている。2022/06/19
Aya Murakami
71
読メで知った本。 優しい物語が続くと思ったら…、ふとダンブラウンのオリジンで出てきた残酷な進化論という感じのフレーズが頭をよぎりました。そうですよね、自然は美しいけど厳しいものですからね…。ちなみにオオスズメバチがいるからこそセイヨウミツバチが侵略的にふるまわずニホンミツバチが守られているという現状があるようです。やはり残酷だ…。2024/03/31
はるぽん🐰道草中🐱
31
バイオリン弾きのおじいさんとミツバチぎんの交流〜楽しくあたたかい日々。ミツバチの寿命はだいたい40日、お別れする前に叶えたかったことは…。短いストーリーですが、ミツバチぎんがいろんな意味で一生懸命だっただけに涙が溢れて止まりませんでした。でも、おじいさんとぎんはお互いに出会えて、きっと幸せだったに違いありませんね☆2017/08/23
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
ひとりぼっちで過ごすおじいさんと、ミツバチぎんの出会いは、友情といのちについて考える。ぎんの思いを伝えるため、バイオリンを花たちに聞かせるおじいさんの曲は、ぎんへのレクイエムなんでしょう。2022/04/19
遠い日
9
年老いたバイオリニストのおじいさんとミツバチぎんの交感。すばらしい音楽のために、一所懸命おじいさんから学ぼうとしたぎんの痛ましい最期。小さな生き物の命が愛おしいと思える物語。2017/04/21