内容説明
目立ちたがりでおませな次女ヴォネッタ。いざとなると勇敢な末っ子のファーン。そして、11歳の長女デルフィーンは妹たちのめんどうをみることを最優先するしっかり者。キング牧師が暗殺された年。母とくらしたことのない黒人の三姉妹がカリフォルニア州オークランドにむかう。ひと夏を母とすごすために。ひとつの願いを胸に秘めて。2011年ニューベリー賞オナーブック、2010年全米図書賞児童書部門ファイナリスト、2011年コレッタ・スコット・キング賞作家部門、2011年スコット・オデール賞他受賞作。
著者等紹介
ウィリアムズ=ガルシア,リタ[ウィリアムズガルシア,リタ][Williams‐Garcia,Rita]
1957年、アメリカ合衆国、ニューヨークに生まれる。ヤングアダルト作家。『クレイジー・サマー』は、ニューベリー賞オナーブック、全米図書賞児童書部門ファイナリストに選ばれたほか、スコット・オデール賞など多数の賞を受賞している
代田亜香子[ダイタアカコ]
立教大学英米文学科卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
326
【原書】ニューベリー賞副賞作品。小さいころに母に捨てられた11歳のデルフィーンを頭の三人姉妹が、ニューヨークからカリフォルニアのオークランドに住む母親を訪ねて夏休みの1ヶ月を過ごすことになり、、、。姉妹に対しての母親の態度があまりにつれなく、何かあるんだろうな、と最後まで読ませる手法がさすが。11歳のデルフィーンの完璧さが愛おしく、ラストでは図らずも胸を熱くさせられる。実際に読んだのはこちら:https://bookmeter.com/books/47272222018/10/02
ぶんこ
43
上の妹とは2歳、下の妹とは4歳しか違わない11歳の長女デルフィーンが、妹たちを守らなくてはと奮闘するのが健気で、反して妹たちの我儘ぶりに驚かされます。ついデルフィーンの立場になって読んでしまい、おばあちゃんではないですが乳飲み子を置いて出て行った母親を批判的にみていました。最後の空港の場面は感動的ではありましたが、やはり母親の気持ちは理解できず。公民権運動のたかまりが最高潮だった時代の話で、人種差別の根の深さも感じました。2017/09/05
tellme0112
12
「鈴木出版の海外児童文学この地球を生きる子どもたち」シリーズを読破しようとさがした。「わたしはわたし」から数えて実は三冊目だった…気づいてないだけで他にも読んでいたかもしれない。いやー、変な母親だった。しかしこの母親自身もよくぞ、生き延びたな!と思う経験をしていた。軽く考えていたけれど、涙なしに読めない。2017/08/09
長くつしたのピッピ
8
JFK暗殺の数年度を舞台に、アメリカ社会の抱える人種差別がテーマ。黒人の3姉妹が、別れた母親を訪ねていった先で、自分たちのアイデンティティを見つける。根底には、母親に捨てられたことへの悲しみや恨みがあり、一般的な母親のように料理を振舞ってくれたり世話してもらいたい気持ちがある。主人公の長女の中には「しっかりしなくちゃ、おねえちゃんだから」という気持ちと「ほめてもらいたい」「慰めてもらい」という気持ちが交錯している。大人の事情で大人にならざる終えない子どもの哀しさ、大人の責任を痛感。2016/01/31
しーまま
6
最後がよかった2013/02/26