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鈴木出版の海外児童文学 この地球を生きる子どもたち
わたしは、わたし

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784790232339
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8397

内容説明

真実を証言する。あたりまえのことをしたはずなのに…。証人保護プログラムによって、アイデンティティをすべて失った家族の喪失と再生。

著者等紹介

ウッドソン,ジャクリーン[ウッドソン,ジャクリーン][Woodson,Jacqueline]
アメリカのオハイオ州コロンバスに生まれる。アフリカ系アメリカ人、プエルトリコ文化に囲まれて育ったことが、のちに、作家としての活動テーマに大きな影響を与えている

さくまゆみこ[サクマユミコ]
東京に生まれる。文化出版局ならびに冨山房で児童書編集に携わったのち、現在は翻訳家として活動中。青山学院大学女子短期大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

23
無抵抗の少年が殺害される場面を目撃してしまった父親がそれを証言することにより証人保護プログラムの下に今までの人生の全てを消去され新しい人生を否応無く生きていくことになった少女の物語。差別問題。正義とは何か。アイデンティティの喪失と確立。『私』とは何か。単純にして深遠なテーマの数々。児童文学だけれど児童だけに読ませておくのは勿体無いくらいに様々な事柄について考えさせてくれる一冊でした。今まで得てきた全てを失う中でそれでも残る物って何なんだろう。疲れているときには絶対に読みたくないですがお薦めです。2017/02/23

かもめ通信

22
警官の父親と教師の母親2人の娘の物語。語り手は下の娘。ある事件をきっかけに彼女たち一家の生活は一変する。かの地でたった一人の黒人警官だった父さんは、無抵抗の少年が射殺される現場を目撃してしまったのだ。悩んだ末に父さんは証言台に立つことを決意し、一家は証人保護プログラム下に置かれることになったのだった。そして一家は失ったのだ。仕事も我が家も親戚も友達も過去も、思い描いていたはずの未来も、名前さえも。もしかすると“児童文学”って大人はもちろん子どもでも読める文学のことなのかもとあれこれ考えさせられる1冊。2017/02/20

ぽけっとももんが

11
正義とはいったい何だろう。「証人保護プログラム」、聞いたことはあった。証言しても国家が身を守ってくれるなら安心じゃないか、とぼんやりと考えていたのだ。黒人警官の父親が目撃した、白人警官による無抵抗の黒人少年の射殺。その証言のため命を狙われる(「青い沈黙の壁」という警官同士の連帯と人種差別がからみあっている)トスウィアと家族は、全てを捨てて新しい過去と身分で知らない土地に生きることになる。正義を貫く難しさ、その大切さを考えずにはいられない。ただこのタイトル、漠然としすぎてもったいない。確かにそうなんだけど。2018/03/25

Yuko

7
証人保護プログラムは聞いたことがあったが、名前も過去も今までのすべて捨てて暮らすこと、アイデンティティを根こそぎこそげとられる苦しみや悲しみを想像もできなかったなあ。何が正義で、なにが正しかったのか、どうすべきだったのか、簡単に答えは出ない。 アイデンティティ確立真っただ中の中学生向けだが、極端な例なので自身に置き換えるのは難しいかも。でも是非読んでもらいたい。大人も社会での立場やこれまで築き上げたものから断絶されても私は私でいられるのか・・本当に残るものってなんだろう。 2016/06/03

ヒラP@ehon.gohon

4
事実を伝えることが、これほどまでに人を苦しめ、人の生活を変えてしまうことに憤りを感じました。 仲間の警官が無防備な少年を射殺するところを見てしまった父親が、事実を証言することで仲間を失い、多くの人を敵に回すことになってしまいました。 家族は名前を変え、住まいを変え、当たり前の生活を捨てて身を隠すまでになります。 子どもたちは夢を断ち切られ、父親を憎んだりもします。 救いのない物語ですが、口を閉ざすことが良いことでもないでしょう。 考え込んでしまいました。2014/11/26

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