内容説明
幸せな一年だった。マリー先生と、ものを作りつづけた一年。でも、ぼくは気がついてしまったんだ。とても簡単なことに。ぼくが興味を持てるのは、ぼくの手と、ぼくの手が作りだせたものだけだってこと。このときに、ぼくのその後の不幸が決定的になってしまったんだと思う。学校がだいきらいな13歳の少年、グレゴワールの奮闘記。
著者等紹介
ガヴァルダ,アンナ[ガヴァルダ,アンナ][Gavalda,Anna]
フランス・パリ生まれ。29歳で作家デビュー。パリ郊外で執筆活動にいそがしい日々を送っている。児童書として初めて書かれた本書は、フランスのみならずドイツやイギリス、アメリカなどで広く愛されている
藤本泉[フジモトイズミ]
秋田県生まれ。東京都在住。獨協大学大学院フランス語学専攻修士課程修了。絵本の編集にたずさわる
小林ゆき子[コバヤシユキコ]
千葉県生まれ。デザイン会社を経てフリーのイラストレーターになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
56
児童書。学校が嫌い、勉強が嫌い、毎日のように行われる両親のケンカなどなど…。トトは体調を崩す程のストレスを抱えている。ただ、トトには物を作るという才能と素晴らしい祖父の存在があった。愛するものの為に勇気を出し、決して大きくはないけれど希望を掴もうとするトトを応援したくなる。702019/03/03
ぶんこ
34
学校が嫌い、勉強が嫌い、好きなのは自分の手で何かを作り出すこと。そんな13歳の少年トトは2回も退学になります。トトのような子を持ったら、私も不安で叫び出しそうなので、両親を悪く思えませんでした。よくしたもので、トトにもおじいちゃんとおう理解者がいました。学校嫌いのトトが唯一行きたかった学校の入学試験で、生死の境で入院していたおじいちゃんの天の声?で落ち着きを取り戻し、無事入学できました。この学校でのトトの頑張りと級友、先生に恵まれて、おじいちゃんも外出できるようになって、ハッピーエンドでホッとしました。2017/09/19
tellme0112
8
いい話だった。「この地球を生きる子どもたち」シリーズを読破したい。と思ったら、「イクバルの闘い」から二冊目だったわ。いい企画だなあ、と出版社いしきしたのはじめて。トトが作業場に刻み込んだ言葉に涙した。これだ、子どもの頃の自分が大人に言いたかった心の叫びだ、と思いだした。2017/07/30
二藍
6
学校に途方もない苦痛を感じ、家庭でも居場所がない少年トトの物語。授業はなにも頭に入ってこないし、興味があるのはなにかを作りだすことだけ。なかなか突破口というか着地点が見えず不安なまま読んだけど、自分の力で前進したトトに「がんばったね」と伝えたくなった。2014/12/13
☆よいこ
2
学校がだいきらいな13歳の少年、グレゴワールの成長。フランスの愛称の付け方がいまいちわからない。グレゴワールがトト?小学生中学年から読める量と内容。勉強したくない、できない中学生にも読ませたい。2017/05/08