内容説明
無線通信には送信機があり必ずRF電力増幅器(PA)が使われています。PA設計の基礎となる原理は、数十mWから100W以上までほぼ同じです。しかし、LTE、WiFiなど、ディジタル無線通信の革新が進むなかで、従来とは異なる複雑なトレードオフ(特に効率と線形性)がもたらされ、旧来のPA設計における概念の見直しが迫られています。本書の特長は、この伝統的な概念の最新状況への適合を、原理原則に基づく「アプリオリ(apriori)的」設計により論じているところにあります。線形PAの基礎、ロードプル理論、高効率化、非線形効果とその対策、その他PAアーキテクチャやPA用電源などを、原理に基づきていねいに解説しています。
目次
線形電力増幅器の設計
従来の高効率増幅器の動作
GHz周波数でのAB級PA動作
線形RF電力増幅器の実用的な設計
オーバードライブPAとF級動作モード
RF用途のスイッチング・モード・アンプ
GHz周波数でのスイッチングPA動作
RF電力増幅器における非線形効果
高効率化技術
電力増幅器のバイアス回路
ロードプル技術電子増幅器アーキテクチャ
電力増幅器の線形化技術
著者等紹介
草野忠四郎[クサノチュウシロウ]
1974年九州大学工学部電気工学科卒業。1976年九州大学大学院工学研究科電気工学専攻修士課程修了。(株)日立製作所入社。中央研究所でアモルファス半導体光導電型撮像デバイスの研究開発に従事。1985年米国ノースカロライナ州立大学客員研究員。1986年~2011年日立製作所中央研究所および半導体事業部、(株)ルネサステクノロジ、(株)ルネサスエレクトロニクスにて化合物半導体電子デバイス、高速・高周波集積回路、携帯電話の電力増幅器の研究、製品開発に従事。2011年~2012年、ソニーLSIデザインにて高周波LSIの製品に従事。工学博士、電子通信情報学会会員
末次正[スエツグタダシ]
1990年慶應義塾大学理工学部電気工学科卒業。1995年慶應義塾大学大学院博士課程電気工学専攻修了。福岡大学工学部電子工学科講師。高周波スイッチング電源の研究に従事。2009年~福岡大学工学部電子情報工学科教授。博士(工学)(慶應義塾大学、1995年)、IEEE、電子情報通信学会、電気学会会員。専門は高周波スイッチング電源
太郎丸真[タロウマルマコト]
1985年東京工業大学工学部電気・電子工学科卒業。1987年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。九州松下電器(現パナソニックシステムネットワークス)(株)入社。パソコン周辺機器、携帯電話、PHS基地局、ディジタル・コードレス電話の開発に従事。この間、九州工業大学大学院情報工学研究科博士後期課程入学、1997年修了。2001年九州産業大学工学部電気工学科助教授。2004年(株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)入社。2010年~福岡大学工学部電子情報工学科教授。博士、電子情報通信学会シニア会員、IEEE会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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