出版社内容情報
主に音声帯域のアナログ無線通信を実現するためのディジタル信号処理技術を解説します.AM,SSB,FMなどの変調方式は,音声帯域の無線伝送のために古くから使われてきました.AMは中短波ラジオ放送,SSBは短波帯のアマチュア無線通信,FMはV/UHF帯のラジオ放送や移動体通信など,さまざまな分野でそれぞれの特徴を活かして応用されています.昨今では,これらの信号を変調/復調する処理のために,FPGAやDSPを利用したディジタル信号処理技術が活用されるようになってきました.本書では,主に音声帯域のアナログ無線通信を実現するためのディジタル信号処理技術を,「フルディジタル無線機キットTRX-305」を実例にして解説しています.
★目次
● 第1章 ゲルマニュウム・ラジオで考える
◎ アナログ信号処理とディジタル信号処理の違い
● 第2章 サンプリング定理とその処理方法
◎ アナログ信号をディジタル化する際の基礎
● 第3章 信号処理のダイナミック・レンジ
◎ プロセッシング・ゲインとディザを活用
● 第4章 解析信号の意味とその生成方法
◎ 信号をI成分とQ成分に分離する
● 第5章 ディジタル・フィルタの種類と設計法
◎ 通信で広く使われるFIRタイプの実装法を中心に
● 第6章 ディジタル信号処理での演算の基礎
◎ 組み込み処理ではさまざまな制約がある
● 第7章 さまざまな関数の組み込み方法
◎ 三角関数,CORDIC,対数の計算など
● 第8章 サンプリング・レート変換
◎ 歪みをなくして効率的な処理を実現するために
● 第9章 ノイズ・シェイピングの手法
◎ ディジタル演算の無効桁を切り捨てずに利用する
● 第10章 変調/復調を行う信号処理の基礎
◎ 無線通信で使用されるAM,SSB,FMの信号処理を中心に
● 第11章 フルディジタル無線機実験キットTRX-305
◎ ダイレクト・サンプリングとFPGA+DSPによる変復調の実験を可能とする
● 第12章 ディジタル信号処理による変復調機能の実現
◎ フルディジタル無線機実験キットTRX-305での実装を例にして
● 第13章 受信信号のスペクトラム表示機能を組み込む
◎ I/Qデータをパソコンに送ってFFT処理する
● Appendix TRX-305用DSPフレームワーク“Hirado”
◎ DSPの復調アルゴリズムの実験をC言語で行える
● ディジタル信号処理サポート・ツール
◎ FIRフィルタの係数計算とLCフィルタの設計
参考文献
付録CD-ROMの内容
索引
著者略歴
★目次
● 第1章 ゲルマニュウム・ラジオで考える
◎ アナログ信号処理とディジタル信号処理の違い
1-1 アナログ回路の場合
1-2 ディジタル信号処理の場合
● 第2章 サンプリング定理とその処理方法
◎ アナログ信号をディジタル化する際の基礎
2-1 アナログ処理とディジタル処理の等価性
2-2 サンプリング後のスペクトル
2-3 δ(t)が実現できないことによる歪み
2-4 アナログ-ディジタル変換
2-5 アパーチャ効果
2-6 アパーチャ・ジッタ
● 第3章 信号処理のダイナミック・レンジ
◎ プロセッシング・ゲインとディザを活用
3-1 14ビットで実現できるダイナミック・レンジ
3-2 100dBのダイナミック・レンジ
3-3 IF周波数を下げて対応する方法
3-4 プロセッシング・ゲインを使う
3-5 SFDR(Spurious Free Dynamic Range)
● 第4章 解析信号の意味とその生成方法
◎ 信号をI成分とQ成分に分離する
4-1 アナログ信号のフーリエ級数展開
4-2 負の周波数,負の時間
4-3 スーパーヘテロダイン方式のイメージ受信
4-4 なぜI/Qの解析信号でなければゼロIFは実現できないか
4-5 解析信号を作る方法
● 第5章 ディジタル・フィルタの種類と設計法
◎ 通信で広く使われるFIRタイプの実装法を中心に
5-1 ディジタル信号処理にはディジタル・フィルタ
5-2 アナログよりディジタルのほうが直感的
5-3 設計は設計支援ソフトウェアに任せる
5-4 FIRフィルタとIIRフィルタ
5-5 FIRとIIRの特徴
5-6 設計法
5-7 群遅延一定のフィルタが一般的に使われる
5-8 最小位相
5-9 簡単なFIRフィルタ
● 第6章 ディジタル信号処理での演算の基礎
◎ 組み込み処理ではさまざまな制約がある
6-1 DSP/FPGAでの演算には制約が多い
6-2 2進数を常に意識
6-3 1サンプリング区間中に処理を終わらせる
6-4 浮動小数点vs固定小数点
● 第7章 さまざまな関数の組み込み方法
◎ 三角関数,CORDIC,対数の計算など
7-1 三角関数
7-2 CORDIC
7-3 対数計算
● 第8章 サンプリング・レート変換
◎ 歪みをなくして効率的な処理を実現するために
8-1 ダウン・サンプリング
8-2 オーバーサンプリング
8-3 サンプリング・レート変換
8-4 サンプリング位置を変える
8-5 CICフィルタ(ダウン・サンプリング)
8-6 CICフィルタ(オーバーサンプリング)
8-7 ダウン・サンプリング用のCICフィルタのVHDL記述
● 第9章 ノイズ・シェイピングの手法
◎ ディジタル演算の無効桁を切り捨てずに利用する
9-1 18×18=36ビットの掛け算器の場合
9-2 電子ボリュームの場合
● 第10章 変調/復調を行う信号処理の基礎
◎ 無線通信で使用されるAM,SSB,FMの信号処理を中心に
10-1 ディジタル変調の長所
10-2 変調方式の分類
10-3 ディジタル信号処理によるAMの変復調
10-4 ディジタル信号処理によるSSBの変復調
10-5 ディジタル信号処理によるFMの変復調
● 第11章 フルディジタル無線機実験キットTRX-305
◎ ダイレクト・サンプリングとFPGA+DSPによる変復調の実験を可能とする
11-1 メイン・ボードのハードウェア概要
11-2 受信時のディジタル信号処理
11-3 送信系のハードウェア
11-4 受信系のハードウェア
11-5 応用例…スタンドアロンの本格的な無線機
11-6 キットの設計で考慮したこと
● 第12章 ディジタル信号処理による変復調機能の実現
◎ フルディジタル無線機実験キットTRX-305での実装を例にして
12-1 SH-2からFPGAとDSPに実行コードを書き込む
12-2 音声信号のアップ・サンプリング処理
12-3 CW/AM/SSB/FM変調の実験
12-4 三角関数や対数の計算が得意なCORDICアルゴリズム
12-5 受信信号のA-D変換とダウン・サンプリング
12-6 受信部IFフィルタとI/Qデータの転送
12-7 DSPによるAM復調のアルゴリズム
12-8 DSPによるFM復調のアルゴリズム
12-9 DSPによるSSB復調のアルゴリズム
12-10 データ通信のためのディジタル変調技術
● 第13章 受信信号のスペクトラム表示機能を組み込む
◎ I/Qデータをパソコンに送ってFFT処理する
13-1 全体の構成
13-2 FPGAの設計
13-3 パソコン側のユーティリティ
● Appendix TRX-305用DSPフレームワーク“Hirado”
◎ DSPの復調アルゴリズムの実験をC言語で行える
A-1 Hiradoの構成と使いかた
A-2 復調アルゴリズムの実装
● ディジタル信号処理サポート・ツール
◎ FIRフィルタの係数計算とLCフィルタの設計
B-1 FIRフィルタ設計ソフトウェア
B-2 アナログLCフィルタ設計ソフトウェア
参考文献
付録CD-ROMの内容
索引
著者略歴
西村芳一/中村健真[ニシムラヨシカズ ナカムラタケマサ]
内容説明
本書では、主に音声帯域のアナログ無線通信を実現するためのディジタル信号処理技術を、「フルディジタル無線機キットTRX‐305」を実例にして解説しています。
目次
ゲルマニュウム・ラジオで考える―アナログ信号処理とディジタル信号処理の違い
サンプリング定理とその処理方法―アナログ信号をディジタル化する際の基礎
信号処理のダイナミック・レンジ―プロセッシング・ゲインとディザを活用
解析信号の意味とその生成方法―信号をI成分とQ成分に分離する
ディジタル・フィルタの種類と設計法―通信で広く使われるFIRタイプの実装法を中心に
ディジタル信号処理での演算の基礎―組み込み処理ではさまざまな制約がある
さまざまな関数の組み込み方法―三角関数、CORDIC、対数の計算など
サンプリング・レート変換―歪みをなくして効率的な処理を実現するために
ノイズ・シェイピングの手法―ディジタル演算の無効桁を切り捨てずに利用する
変調/復調を行う信号処理の基礎―無線通信で使用されるAM、SSB、FMの信号処理を中心に
フルディジタル無線機実験キットTRX‐305―ダイレクト・サンプリングとFPGA+DSPによる変復調の実験を可能とする
ディジタル信号処理による変復調機能の実現―フルディジタル無線機実験キットTRX‐305での実装を例にして
受信信号のスペクトラム表示機能を組み込む―I/Qデータをパソコンに送ってFFT処理する
TRX‐305用DSPフレームワーク“Hirado”―DSPの復調アルゴリズムの実験をC言語で行える
ディジタル信号処理サポート・ツール―FIRフィルタの係数計算とLCフィルタの設計