内容説明
組み込みソフトウェアは年々巨大化し、従来の開発手法では品質が保証できなくなってきています。バグの発生は、ただちにシステムの障害に直結し、社会や人命に重大な損害を与えます。そこで登場した考え方として「形式手法(Formal Method)」があります。数学を基礎とし、プログラムの正しさを証明していこうという考えです。仕様を厳密に定義するための形式仕様記述、モデルの論理的な検証手法である形式検証について、LTSA、Alloy、CBMC、VDMなどの容易に入手できるツールを使いつつ学んでいきます。
目次
第1部 プログラムの基本、論理編(ソフトウェアの正しさをどう証明するか;仕様の形式化のはじめの一歩;推論の正しさの検証;前提が正しいとするとどんな結論を得られるのか―充足問題;真理表から場合分け表へ ほか)
第2部 組み込みの基本、ふるまい編(時間仕様の扱い;数理的アプローチによる開発;論理式のテスト;論理式の実験場を作る、全数チェックへの道;様相論理で変化を扱う ほか)
著者等紹介
藤倉俊幸[フジクラトシユキ]
エンジニアとして約30年活動。博士(学術)はデータ・マイニングの一種で取得。2010年から株式会社エクスモーション勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pi_nika
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組み込みソフト屋の抱える課題とはどんなものだろうと、本書を手にとった。ざっくり読めて、門外漢にもとっつきやすい本でした。2013/04/02
明るいくよくよ人
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形式記述の本は、性格上とっつき憎い本が多いが、もとが雑誌の連載記事だったこともあり、興味を引くような記述になっている。反面、説明が飛んでいたり、言葉が定義されていないところもあるので、ところどころイラっとする。他の形式記述の本をちゃんと読んで、その後、実務に適用している人のブログを読むような気で読めば、良い本だと思う。持ってて損はない。2012/09/12