内容説明
東京の大学を卒業したものの、甲府の実家に戻ってきて、無気力な日々を送るタマ子。「就職活動してるのか?」という父の言葉にも「その時が来たら動く。少なくとも今ではない!」と威勢がいいのか悪いのかわからない啖呵を切るが、秋から冬、そして春から夏へと季節が移りゆく中、タマ子の気持ちにも少しずつ変化が現れていく。口を開けばいつも言い合いばかりしている父と娘。でも本心では、父は奔放な娘を愛しく思い、娘は不器用な父を思いやっている。モラトリアムな毎日を過ごすタマ子が、ゆっくりと新しい1歩を踏み出すまでの四季の物語。映画では描かれなかったエピソードもたっぷり!タマ子の愛すべきぐうたら生活ストーリー。
著者等紹介
向井康介[ムカイコウスケ]
77年、徳島県生まれ。99年山下敦弘監督の長編デビュー作『どんてん生活』で、脚本・照明・編集を担当。その後も山下作品で脚本を務める
波多野都[ハタノミヤコ]
早稲田大学第一文学部哲学科卒。出版社勤務のあと、東映芸術職第二期脚本家コースに採用され、現在はフリー。事件ものから戦隊シリーズなどの脚本を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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omatsu
5
映画を見てからだったのでスルッと入り込めてサラサラと読了。テレビに向かって悪態を吐くたま子に初めはイライラしていたのに、気づけばなんか応援しちゃってる自分に苦笑い。映像よりも小説の方が感情移入しやすいかも。ダメダメなのに微笑ましいのは…やっぱりまだまだ若いからなのかな。善次が作るご飯がどれも美味しそう。なんだかんだでたま子が可愛くて仕方ない善次も人間ぽくて良いお父さんでした。2017/06/09
もか
5
映画ですっかりタマ子の虜に!ぐうたらで食っちゃ寝なのに可愛いというか愛おしい。自分のことをダメだと少しずつあがいていたけどタマ子みたいに暮らすことが一番勇気があったのでは?2013/12/15
広瀬千
5
映画を見てからの読了。映画の場面を浮かべながら、どんどん読めてしまった。よりタマ子の内面が分かった。ぐうたらで自由だけど、もどかしくて息苦しい雰囲気がたまらない。2013/12/06
夫婦善財餡 汁粉
4
映画よかった。誤解したお父さんが「就職(する気を出した)祝い」にプレゼントをしたとことか最高。タマ子は「デビュー」みたいな雑誌よんで芸能人になろうと応募書類つくってただけなのに!学卒後にデビュー目指すって!どれだけ、もらとりあむ。「サポステ」指導員の役で出演って・・・2017/02/18
Tatsuya Kaneko
4
コレは読みやすい。 そして、意外こんな感じ好きです。 数時間で読んてしまった。 人間急には変われない。 人生の溝にはまった時は自分なりにもがいて見るのも新たな自分の発見にもつながると思います。 年齢 性別違うけれど、タマ子の人生味があって面白いかも(^^)2014/02/19