内容説明
時計職人ハーマックスの暮らすピンチェスター。街いちばんの劇場、ヴァーミント・ヴァラエティ・シアターでは夜ごと、魅惑のショーが人気を集めていた。ある日、ハーマックスに劇場主から謎めいた手紙が届く。―わたしを殺そうとしている人物をつきとめてほしい。美容業界の大物タッカ・マーツリンの悪だくみなのか?姿を消した伝説の女優ヌレラ・ピンチの復讐なのか?一方、ハンサムな映画監督に飛行クルーとして雇われたリンカ。シアターを舞台に思惑と愛がからみあい、事件は意外な結末へ―ロマンチックでスリリングなネズミの冒険物語、第3弾。
著者等紹介
ホーイ,マイケル[ホーイ,マイケル][Hoeye,Michael]
NYで劇場の裏方やファッションフォトグラファー、高校教師などの職を経たのち、『ネズミの時計屋さんシリーズ』でデビュー。もともとは、出張中の妻に読ませるために毎日書き送ったeメールから始まったこのシリーズは、全米ベストセラーとなり、世界24カ国で出版されている。現在、オレゴン州ポートランドの石造りのコテージに暮らす
雨沢泰[アメザワヤスシ]
東京生まれ。英米文学翻訳家。小説を中心に多くの作品をてがける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきちん
38
ネズミの時計屋さん第3弾 劇場オーナーが脅迫されて、過去の実績からハーマックスのところに探偵の依頼が。またまたタッカの悪だくみなのか?消えた名女優は?リンカ嬢に言い寄る監督は?…今回も後半のたたみかけるような展開(どんでん返しと言ってもいいのか?)楽しみました。動物たちのファンタジーの世界観の中でしっかりミステリー。まさに恋と冒険です。2017/05/28
飛鳥
22
第三弾の今回は今までの冒険での活躍を買われ、脅迫を受ける劇場の警備を引き受けるネズミの時計屋さんハーマックス。ペットのテントウムシのターフルを連れ、劇場内で起こる数々の困難を機転と勇気で立ち向かうネズミさん。今回もタッカの困った行動に惑わされて可哀そうなハーマックスですが、ターフルの大活躍に何度も救われます。女性飛行士の憧れのリンカとも良い感じで素敵です。ミステリーもしっかりしていて設定は動物さん達でほんわかしていて大好きなシリーズ。続編が出てくれれば最高なのですが。2017/06/28
リュミエール
2
★★★★☆ シリーズ3作目。今作はより一層著者の経歴が活かされており、劇場の様子がとても生き生きとしていて良かった。オウムのターマインドやメッセンジャーのモモンガといった魅力的なキャラの登場、ターフルの活躍が話を盛り上げ、テンポ良くスリルもあり最後まで楽しめた。更に今回もターフルの〈ポータ・ペットパレス〉やラネイダコーヒーショップの新作ドーナツにタッカの新作コスメと魅力的なアイテム満載で、切実に挿絵が欲しいと思った。これで一区切りということで寂しいが、ハーマックスの幸せの報せと共に再会できたらいいな。2017/08/06
あんちゃん
0
ハリウッドのアクション映画張りに起伏があるし、キャラクターも魅力的で、脳内シアターはもう満席。これで終わってしまうのが残念だ。美術に対するアプローチや制作側からの細やかな描写、主役となる齧歯類たちの容姿やファッションも作り込まれていて、うん、読ませるねえ。誤植や直訳っぽい文体を気にする人はいるかもしれないけれど、それを引いても楽しいお話なのだ。2015/11/04
HANNA
0
巻ごとのタイトルもひねりがきいていてすてきです。表紙も夢を誘う美しさ。