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内容説明
紀元前千数百年の頃、ミデヤンの王の一人エテロの聡明な末娘チッポラは、不思議な夢を見る。それは、彼女の乗った小舟が海底に引き込まれてしまうものの、エジプトの王子に救われるという夢だった。どうしてもその夢を忘れられずにいるある日、チッポラはならず者に襲われるが、一人の男に助けられる。男の名はモーセ。彼は夢に出てきた王子にうり二つだった。この運命の出会いが、チッポラとモーセの未来を大きく変えていく…。聖書に登場した女性たちの壮大な愛のドラマを描く話題のベストセラー第1弾。
著者等紹介
アルテ,マレク[アルテ,マレク][Halter,Marek]
1936年、ワルシャワにユダヤ人として生まれる。ナチスの弾圧から逃れるため、幼くしてロシア各地を転々とし、戦後はフランスに移住。作家としてはおもにユダヤの歴史と文化にまつわる小説やノンフィクションを多く手がけているが、映像作家・画家・人権保護運動家としても活躍している
藤本優子[フジモトユウコ]
フランス文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
39
聖書を題材にした壮大な愛のドラマだと感じました。ミデヤンの娘・チッポラは、襲われていたところを1人の男性に助けられます。その名もモーセ。運命の出会いから、2人の未来が大きく揺れ動くのが面白かったです。2人のロマンスは偉大なる愛のようみ見えました。不思議な夢が現実となり、愛し合うようになるというのがドラマチックにすら思えます。聖書からこんなにドラマチックな愛の物語を描けるのが凄いと思いました。聖書には描かれていない愛のドラマを見たような気がします。2014/09/07
Ribes triste
6
実は読むまでなめてかかってました。旧約聖書の中ではモーゼの影にいる女性が、血と肉と心を持ち運命に屈せず愛に生きる姿は感動的でした。そして聖書のイメージを崩さないままに描かれた物語も見事でした。これも神様に選ばれ民を導く人になってしまったが故の悲劇ですが、なかなか酷いダンナです。2016/03/08
水戸
0
当事者であり部外者でもあり、能動的かつ受動的っていうのは、当たり前のことのはずで、昔の話が綺麗に歪曲されていくのが当たり前になっていて、血肉ある者の話ではないような雰囲気のものが増えていくなか、これは残忍で優しくて傲慢で純朴で従順がゆえに残酷で、憐れで酷くてやるせない。二面性と不理解と弱者の言い訳と誤解の末の傲慢と悲劇がえががれているので、優しい奇跡や柔らかな官能を求める人は、きついかも。人間って、そうだよねぇって、なった。命じられることに慣れきった集団の弱者の求めは、簡単に純朴な人を無自覚に殺すんだね。2015/02/15
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