内容説明
夏休みははじまったばかり。ぼくは、いやいやながらとうさんの本屋の店番をしていた。そんなある日、紙みたいに真っ白な顔、ぼうぼうまゆ毛の不気味な客がやってきた。男はストローを取り出すと本にさしこみ、ちゅるちゅる吸いはじめた。おどろいて叫んだぼくに気づいて逃げたヤツのあとには、文字が消えて真っ白になった本が残されていた。あいつを探し出して、秘密をつきとめなきゃ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
82
文字通り、読書が〈血肉〉になる羨ましい体質。ただし、読書スタイルは極めて個性的だけど……。本屋を営んでいる父親は重度の本の虫。父と折り合いが悪い〈ぼく〉は本には全然興味がないけど、夏休みは仕方なく店番をしなくちゃならない。ある日、店に不気味な客がやっていた。男はストローを取り出すと、本をちゅるちゅると吸い始めたんだ。興味を持ったぼくは、男を尾行することにした……。翻訳を手がけた角田光代さんは、インクヴァンパイアに噛まれる日を待ち望んでいるらしい(笑)。2015/05/09
Rie
22
職場の読友さんから教えていただいた絵本。角田光代さんが訳。本屋の息子があるとき見つけてしまった変な男。彼は本に使われたインクをストローで飲んじゃうヴァンパイア。本から飲むインクはとても美味しいのだそう。しかも内容まで一緒に飲めるなんて素敵。2015/06/01
小夜風
22
【図書館】貪るように本を読む…のではなく、本にストローを差し込んで、本のインクをちゅるちゅる飲むヴァンパイアのお話。インク瓶のインクは味付けしていない料理みたいでちっとも美味しくないそう。ところが紙の上で何年も過ごしてきたインクはそりゃあもう極上の味なんですって♪設定が面白くてワクワクします♪自分も積ん読が物凄い溜まってしまったので、ごくごく飲んでしまいたい(笑)。2015/05/05
イチイ
19
本屋の男の子がある日、空中を浮遊し本にストローを差し込んで書かれた文字を吸う怪しい男を見つけ、あとを追いかけていくとそれが墓地に棲むヴァンパイアだったことがわかる、という児童向けの小説。短いお話なので、血ではなく本のインクを吸うヴァンパイアというアイデアが面白いかどうかだろうが、そこにあまり惹かれるものがなかったというのが正直なところ。正統派ヴァンパイアよりはコミカルな雰囲気になって子ども向けには読みやすくなっているが、そこ止まりになってしまっていると思う。2020/10/24
クサナギ 「読んでる本」=「バイブル本」
8
ハロウィンにいいかな、と。横書きで改行少ないと読みにくいけど、ストーリーは楽しい。血液アレルギーになったからって、本にストローさしてインクを吸っちゃうヴァンパイヤって!(*≧m≦*)でも、物語の内容を、実際に体験したように「味わえる」なんて、ちょっと吸ってみたいかも。2013/10/11
-
- 和書
- 特定保健指導マニュアル