内容説明
1950年代、世界中が戦後の復興に必死だった時代。1マイル=1609メートルを4分以内で走るという、未踏の記録に立ち向かった若きアスリートたちがいた。英国の医学生ロジャー・バニスター、親の虐待から逃れてきた米国のウェス・サンティー、豪州の静かなる闘士ジョン・ランディ。何十年にもわたって、挑戦者たちがその限界の前に破れ、医師は「無謀な挑戦は命を落とす」と警告し、エヴェレスト登頂や南極点到達よりも難攻不落といわれた“4分の壁”。1952年のヘルシンキ五輪での敗北をきっかけに、若きアスリート3人が、ときを同じくして挑戦をはじめた。人間の能力に限界はない。そこに1%でも可能性があるかぎり、壁は打ち破れると信じて…。
目次
第1部 走る理由(英国を背負った医学生;カンザスの足長ルーキー;オーストラリアの静かな闘士 ほか)
第2部 壁(一マイルの彗星;実験台;決意 ほか)
第3部 パーフェクトマイル(栄光と不運;奇跡の舞台;アクシデント ほか)
著者等紹介
バスコム,ニール[バスコム,ニール][Bascomb,Neal]
ノンフィクション作家。ニューヨークの超高層ビルを建てた男たちの話“HIGHER”でデビュー。現在はNYに在住
松本剛史[マツモトツヨシ]
翻訳家。主な訳書に、モリス『オールド・ルーキー先生は大リーガーになった』(文芸春秋)、フリーマントル『英雄』(新潮文庫)など
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感想・レビュー
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くるくる
1
チャレンジを続ける3人の姿勢がすごい。ある地点でペースアップすると、そのあと同じ分ペースダウンしてもエネルギーは余計に消費する。身に染みた。2014/03/22
Hiroyuki Matsui
0
限られた時間の中で限界を突き詰める話。ヘルシンキオリンピックからの2年間。1日24時間。1マイル4分の中で。2017/07/23
おおさき
0
【お勧め度4】 60年前、「1マイル4分の壁」が陸上競技にあるとされており、そこに挑み続けた3人のランナーたちのドキュメンタリー。 アマチュアリズムや、トレーニングへの向き合い方、メディアと選手の距離感、コーチをつけるつけない、競技に専念する環境づくりなど。あらゆる観点でこのチャレンジに乗り越えたメンバーを紐解きます。 結論、この中の1人が4分の壁を乗り越えたことで一気に4分切りの選手が増え、メンタルトレーニングの「自分で限界を作らない」話として有名ですが、ドラマはもっと複雑。スポーツ好きならぜひ。2020/03/08