ヴィレッジブックス
マグダレンの祈り

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  • サイズ 文庫判/ページ数 279p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784789721080
  • NDC分類 936
  • Cコード C0197

内容説明

1996年までアイルランドに実在し、延べ3万人の少女たちが収容されたマグダレン修道院。キリストによって改心した娼婦マグダラのマリアにちなんで名付けられたその修道院は、性的に“堕落した”と判断された女性たちを神の名のもとに矯正する施設として、カトリック教会によって運営されていた―。未婚で妊娠した者、レイプされた者、男に色目を使ったと噂された者、さまざまな理由で修道院に送られる少女たち。彼女たちは本名を名乗ることを禁じられ、頭髪を剥られる。外界から閉ざされた劣悪な環境のなかで、少女たちは悲痛な叫びを上げていた。世界を圧倒した衝撃のノンフィクション。

目次

夜勤からの解放
シィアムスを見捨てるように
初犯者
娘を奪われる
キテイーの二等兵
ウォーターフォードから来た女
医師による出産
サディーの妹
ジャーマインの小さな息子
メリー・クリスマス…〔ほか〕

著者等紹介

ゴールディング,ジューン[ゴールディング,ジューン][Goulding,June]
1927年、アイルランド生まれ。1950年代に助産婦としてマグダレン修道院にいた経験から『マグダレンの祈り』を執筆する。現在は、家族とともに北イングランドに在住

石川順子[イシカワジュンコ]
英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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たまきら

27
昔映画を見て呆然としたのを覚えていますが、本のほうは映画ではうっかり見落としてしまった部分がリアルに立ち上がってきて…ある意味もっともっとむごかった。被害者なはずの女の子たちが受ける仕打ちに呆然。娘が成人するころ、女性の権利はどうなっているんだろう…。2020/08/20

sasha

8
いくらカトリックだからって、いくら1950年代だからって、思いがけずに未婚のまま身ごもった女性から人間性を奪っていいはずがない。1996年まで運営されていたアイルランドのマグダレン修道院。そこは未婚の母になろうとしている女性たちの矯正施設だった。身重の体なのに重労働を課せられ、出産時に麻酔は使用されず、産みの苦しみに声を上げれば叱責され、出産で負った裂傷を縫合することも許されない。神に仕えるはずのシスターがなんでこんなにも冷酷になれるのか。女性だけに罪があるのか?そんなはずはない。2018/05/11

jamko

6
映画を知って興味持ったのだけど実際に観るにいたらぬまま、古本屋で原作と先に出会った。1996年までアイルランドに実在した、未婚の母を収容する特別な施設・マグダレン。当時施設にいた助産師がその悲惨な実情を暴露したノンフィクション。『アイルランド短編集』を読んだときも思ったのだけど、日本とアイルランド似てる。ムラ社会。だからこの本を読んで、うわっ信じられない!とは思えない哀しみ。どう考えても隔離して強制労働させるべきは妊娠させた男なんですが(中には同時期に複数人同じ男に妊娠させられてた。切り落とせ!)。2016/12/27

はせこー

5
映画を観た後の読了。 1950年代のアイルランドでの現実。 逃げ場のない女性達。 見て見ぬ住民。 こんな時代があったのか…2014/01/04

うたまる

2
例え騙されていようと全ての不利益を女性が被る明白な男尊女卑社会、慈善活動と思いきや養子ビジネスで経済活動を行うカトリック教会、最後の庇護者であるにも関わらず体裁を優先し娘を見捨てる親、愛ではなく侮辱と加虐を母体と母性に与えるシスター、自尊心が低く運命を切り開く意志を持たない入所者。……「えぐい偏見の少ない20世紀の日本に生まれて良かった」と締めようとした時、日本のらい予防法もマグダレン修道院と同じく1996年まで続いていたのを思い出す。世界中がくそったれなのだ。早くも今年のベスト候補。2012/01/17

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