内容説明
“予言の石”の世界で繰り広げられる円卓の騎士たちの冒険と探求の旅、騎士と王妃たちの愛のゆくえ、戴冠しキャメロットを治める石のなかのアーサー王…。いっぽう、少年アーサーの世界では、騎士になるための修行がはじまった。はじめての自分の馬、はじめてのよろいかぶと、そして、はじめて海を渡り十字章を授かる。まだ見ぬほんとうの母への思いを胸に、アーサーはみずからの運命を切り拓いていく。中世の少年を主人公にきらめくような言葉で織りなされる新世紀の“アーサー王伝説”第二弾！。
著者等紹介
クロスリー＝ホランド，ケビン［クロスリーホランド，ケビン］［Ｃｒｏｓｓｌｅｙ‐Ｈｏｌｌａｎｄ，Ｋｅｖｉｎ］
イギリス生まれ。オックスフォード大学で歴史と文学をまなび、中世の詩の世界に恋をした。そのあと子どもの本の編集者をしながら、作家になる。８５年には『あらし』でカーネギー賞、２００１年に、アーサー王伝説をみごとによみがえらせた『ふたりのアーサー』の第一巻で、ガーディアン賞を受賞。現在は、三部作となるこのシリーズの三巻目を執筆中。イングランドの東部、海をのぞむノーフォークに暮らす
亀井よし子［カメイヨシコ］
翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
25
第一章ラストは「きょうぼくは氷をぬけ、炎にたどりついた」アーサーはいよいよ優しかった養父母や友達のいるコルディコット荘園を出て、ロード・スティーヴンの従者となり騎士になるための修行に向かうのだ。旅立つアーサーを寒さの中見送っていたのは荘園の少女ガティ。一方途中でマントが燃えているまま馬に乗っている燃えたつような赤毛の少女ウィニーを助ける。アーサーは氷と炎、正反対のイメージの女性と同じ日に会ったことになる。有夫の女性を奪って夫を殺し、しかも自分を息子と知りながら前巻で怪我をさせた乱暴なサー・ウィリアムが父。2021/12/15
呉藍
6
念願叶って十字軍に参加することになった少年アーサー。そしてもうひとりのアーサーは、黒曜石の中で着々と物語を進めている。うーん、ここまで来てもまだ全容がわからない。この構造を理解するにはやっぱり３巻ぶっ通しで読むのが一番なのかもしれないです。少年アーサーの瑞々しい瞳から見る世界はあまりにも広いなぁ。彼自身の旅から、そしてもうひとりのアーサーの物語から、いったい何を学んで成長するんでしょう。2010/09/28
ヴェルナーの日記
5
本シリーズの第２作目にあたる作品。主人公アーサーが持つ不思議な黒曜石の中に打ちしだされるのは、伝説のアーサー王の物語。そこではアーサーは、金床の石から剣を抜き、イングランドの王となる。そして母イグレーヌ妃から伝わる大石を円卓とし、王国を守る騎士たちを集った。そして、グウィネヴィア妃と結婚する。 一方。現実の世界のアーサーは騎士となるためロード・スティーヴンの従者となって十字軍に参加することになった。石の中の物語と、現実の世界（物語の上における現実）とが、交互に織り成していくダブル・プロット作品である。2014/10/10
たかし
2
2巻でアーサーが十字軍に参加するのかと思いきや、2巻はアーサーの修行にほとんどが当てられた感じですね。ようやく、巻末で十字軍入りが見えてきたところで終わり。3巻で完結なんだけど、着地点をどうするのかな。そして、黒曜石が見せるアーサー王伝説が、ほぼ円卓勢に取って代わられてしまったよ。アーサー王時代のケルト人とサクソン人との対立と、十字軍時代のキリスト教とイスラムの対立がテーマになるのかと思いきや、別にそういうわけでもなさそうだ。2017/01/17
j1296118
1
アーサーはとうとう（よりによって第四次の）十字軍に発ち、ブリテンのアーサー側では危険な席が満たされる。 アーサー王よりむしろアリエスの子トーのが生まれの経緯については近いかなあ、と思っていたら作中でもそのように書かれてた中盤のこと2015/01/25
