内容説明
フランチェスカとキンケイド―運命の出会いと別れの後でふたりはなにを思い、どのような歳月を過ごしたのか。1200万人が泣いたベストセラー待望の完結編。
著者等紹介
ウォラー,ロバート・ジェームズ[ウォラー,ロバートジェームズ][Waller,Robert James]
1939年アイオワ州生まれ。北アイオワ大学・インディアナ大学卒業。北アイオワ大学商学部経営学教授在任中に『マディソン郡の橋』を執筆。世界35カ国以上で出版され、1200万部を売る大ベストセラーとなった。現在はテキサス州デル・ノーテ山脈の牧場で暮らしている
村松潔[ムラマツキヨシ]
1946年、東京生まれ。国際基督教大学卒。翻訳家
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
138
『マディソン郡の橋』の続編です。そもそも続編があったコトを最近知りました。続編とは言いつつも、あの'永遠の四日間'から更に年月が流れてからの話を「ロバート」や「フランチェスカ」はもちろん、彼らにまつわる人物からの目線でも綴られた連作的な構成です。運命の出逢いから、それぞれの死を迎えるまでの間での'想い'を美しく綴っています。前作との繋がりを見事な構成で仕上げた作者さんにはひたすら脱帽です。人それぞれにあらゆる生き方があり、決して後悔はしたくないですよね。自分を信じ続ける強い信念は読む側に勇気をくれました。2021/06/18
しいたけ
99
世間をうっとりさせた「永遠の4日間」を抱え生きる、その後のロバート・キンケイド。彼の孤独を照らす一枚の写真の中に、アイオワの農家の主婦フランチェスカの中に、愛とは何かという命題を見る。彼と世間を隔絶されるものが何だったのか。彼の来し方と背負った傷。本章よりも丁寧に描かれる物語が、キンケイドの魅力を一層浮かび上がらせる。戦争が落とした影。彼にとて混乱の月日があった。簡単に散った命を簡単ではなかったとする為には、本質だけを選び実直に生きるしかなかったのだろう。悲劇を悲劇で終わらせない、優しいサプライズがある。2019/08/09
がたやぴん
78
今、読んで正解。前作は2〜30代、本作は3〜40代での出会いが適齢期な気がする。タイトルには最終章とあるが、マディソン郡の橋を男性側から描いた物語という表現が正解かも。その為、前作に思い入れのある女性陣には紹介しづらい気がする。あの切ない世界観を壊すような描写は皆無だが、知らなくて良いことも描かれている。矛盾するが、前作でハマらなかった男性陣には勧めたい作品でもある。自身は、決して彼のような色男ではないし、近い経験もない。でも何故か投影できる不思議な感覚が恐ろしい。セットで10〜20年後に再読したい。2017/02/19
つちのこ
3
人生の終盤に差しかかったキンケイドの言葉、「自分の生きてきた痕跡を消し去り、きれいにしたい」。これにはカウンターパンチを受けてしまった。人の大部分はモノやコトに執着する。自分が生きてきた証として、何かを残したいと思うのはごく普通の感情だろう。 写真家のキンケイドが自分自身の人生の“記憶”だけをもって旅立っていく決心には心を打たれる。人は生まれてきたときも死ぬときもひとりだということを改めて実感するのである。2003/01/20
きつねのこんた
2
男の気持ちは凄く綺麗に描かれている。私は楽しめた。しかしフランチェスカのような女性心理というのは、ややフィクション過ぎて多少醒めてしまうタイミングがあった。映画の主演はクリント&メリルとのことなので、映画の方を見てみたい。作品自体が映画向きな気もする。2020/10/25
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- 和書
- 年鑑・書道 〈2016〉