内容説明
サンクエンティン刑務所―そこは暴力とは無縁の人間を人殺しの野獣にかえる“アニマル・ファクトリー”でしかなかった。エドワード・バンカーにしか描けない圧倒的なリアリティにみちた自伝的犯罪小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
daiyuuki
22
作者エドワード・バンカーが刑務所での服役経験があるだけに、生命の安全が保証されない刑務所の実情を、刑務所内の熾烈な人種抗争、少しでも弱みを見せれば所持品や所持金だけでなく性の対象者にされてしまう野獣の掟が支配する刑務所内の凄絶な日常、どのように刑務所内に武器を隠すか必需品の調達や受刑者の書類の改竄などの囚人の様々なテクニック、刑務所内の麻薬密売や賭博などのアンダーグラウンドビジネスの実情、ロナルドどベテラン囚人アールの兄弟や師弟のような熱い絆を絡めて描かれていて、凄みのある傑作サスペンス小説です。2015/10/03
hikarunoir
4
この作者の作品中二番目に好きな作品。
デルタアイ
3
最初はあまり作品の中に入っていけなかったが徐々に引きずり込まれるようにして刑務所の中へ入っていくと 監獄の匂い、人種間のひりつき、やるかやられるかの駆け引きなどが感じられるように 服役が長くなるにつれ無気力になってしまうと言っていたアールの全てをかけた最後のオチが哀愁漂っていてかなり良い ☆9.02024/08/07