内容説明
何世紀もまえから現代まで、世界のあちこちで起きたマリア出現というできごと。それには、その時代ならではの、またその土地ならではのメッセージが託された。著者は、今回、そのうちのフランスに限って、八箇所の巡礼地を訪れ、歴史に思いを馳せながら、強烈な土地の力を体験していく。
目次
リュ・ド・バック(パリ)(一八三〇年)
ラ・サレット(一八四六年)
ルルド(一八五八年)
ポンマン(一八七一年)
ペルヴォワザン(一八七六年)
リール・ブシャール(一九四七年)
ロカマドゥール
ル・ピュイ
著者等紹介
高橋たか子[タカハシタカコ]
1932年、京都市生まれ。1954年、京大文学部フランス文学科卒後、大学院修士課程修了、文学修士号取得。おもな作品に、長編小説として『空の果てまで』(田村俊子賞)、『誘惑者』(泉鏡花賞)、『天の湖』、『ロンリー・ウーマン』(女流文学賞)、『荒野』、『装いせよ、わが魂よ』、『怒りの子』(読売文学賞)、『亡命者』、『君の中の見知らぬ女』、『きれいな人』(毎日芸術賞)ほか多数があり、フランスで、1980年代にわたって観想的な生活をしたことの実りとしての、『土地の力』、『始まりへ』、『内なる城について思うこと』など、霊的テーマの著作がある。現在、神奈川県に在住
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
285
1830年(パリ)~1876年(ペルヴォワザン)にかけて、フランスのあちこちに聖母マリアが顕現した。これらの地は、このほとんど直後から数多くの巡礼者が訪れ、現在に至るも重要な巡礼地になっている。それらの中で最も名高いのはルルドだろう。さらには20世紀に入ってからも1947年のリール・ブシャールの顕現があった。敬虔なカトリックの徒である著者(高橋たか子)は、これを深く受けとめているが、私たちにはその気持ちはよく理解できるが、奇跡を共有することはなかなかに困難である。どうしてフランスにはかり、であるとか⇒2023/06/05
takao
2
ふむ2022/09/04
amanon
2
内容はともかくとして、なぜか日本語として不自然な言い回しがかなり見受けられるのが気になった。それに伴い、半ば鼻白む思いで読み進めていったのだけれど、終盤あたりからかなりのめり込むことに。混沌と殺伐が日常的になった状況の中で、人々を覚醒するために現れる聖マリア…多くの人は、ここで取り上げられたエピソードを読んで、何かのまやかしと思うに違いない。それでもマリア顕現という現象は、多くのカトリック信者にとってゆるぎない確信となっている…この落差は何か?と考えると同時に、今の世にマリア顕現を願わずにいられない…2014/01/14