内容説明
ラルシュ共同体の創立者ジャン・ヴァニエの心奥からの語りかけ―うつの闇をとおして、光にいたる道。
目次
心の傷から病に
うつは、どこから
身体のなかで起きる変化
癒しにむかって
人生の冬は春にむけての準備
このみごとな宇宙の一員として
内なる真の自己
死の欲求と闘う
休むことを覚えよう
心の闇を見つめる
解放のきっかけとなる、うつ
うつから解き放たれよう
著者等紹介
ヴァニエ,ジャン[ヴァニエ,ジャン][Vanier,Jean]
1928年、カナダに生まれる。1950年、福音的貧しさに生きるよう呼ばれていると感じ、ドミニコ会士・トマ神父創立の学生共同体に入り、のち6年間パリ・カトリック大学で哲学、神学を学び、ベルフォンテンのトラピストに1年、ファティマに2年、農場に1年と、シャルル・ド・フーコーを思わせる霊的遍歴をする。1962年、哲学博士号取得後、トロント大学(カナダ)で教鞭をとる。1964年、トマ神父が北フランスにある「障害者の家」の指導司祭になり、彼にさそわれてフランスに赴く。トロリーで、知的障害者2人を受け入れて共同生活を始める。これがラルシュ共同体の母体である。その後、世界各地にひろがり、現在では、100箇所を越える。日本にも設立されている
原田葉子[ハラダヨウコ]
1967年、フランスに生まれる。上智大学外国語学部卒業。東京芸術大学大学院美術研究科修了(美学専攻)。現在、宇都宮大学非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
megumiahuru
29
知的障害を持つ人と持たない人が「共に生きる」ラルシュ共同体の創設者、ジャン・バニエ師による「うつ」に関する一冊。「うつ」を病気ととらえ投薬やカウンセリングによって「治療する」というアプローチが現代では主流かもしれない。しかし、バニエ師の場合、もう少し「うつ」を人生の一部ととらえ、それをむしろ自分という存在が解放される契機として考えている。そういう意味では、すでに重症化している方や双極性の方のケースには不向きかもしれない。けれどもまた別の視点に立てば、「うつ」がむしろ人生を深めるきっかけになると教えられた。2014/08/11
fumikaze
7
とても憂鬱になってしまった。私は地雷を踏んでしまったかもしれない。 小さい頃から、自分は誰にも望まれていない、生まれるべきではなかった、悪いのは全て自分自身、という想いに蓋をして見ないようにして生きてきた。それが、この本を読んでいるうちによみがえってしまった。鬱は独りでは克服できない。周囲の人々の助けが必要。...その通りかもしれないけど、鬱になるのは「他人に迷惑をかけず、独りで頑張ろう」とする人だと思う。私は神様に自分をまかせるということすらも出来ていないのだ...。心の深いところが揺さぶられる本。2015/04/02
まみょんちゃんねる
2
「うつ」は誰にでも起こる可能性がある。自分や身近な人が「うつ」状態に陥ってしまったときの心の持ちようが記されていた。「うつ」が酷くなり、日常生活に支障をきたすと「うつ」病の領域に入るのだが、そのときは医療者や心理療法士の力を借りるように、とあったのは誠実だと感じた。「うつ」ではなくても、前向きに生きていくための優しさと愛情にあふれたメッセージとして受け取ってもよいのではないだろうか。2024/01/13
daiyuuki
2
知的障害を持つ者と健常者が仲間として共に生活するラルシュ共同体の創立者ジャン・ヴァニエ氏が、どのように鬱と向き合って、希望を捨てずに心を解き放つことが、出来るかが簡潔に書いてあります。「人の美しさは、自分をあるがままに受け入れた時に輝きます。うつは、苦しい現実ですが、こうした危機と上手に付き合って癒やしに向かえば、心が大きく解放される道となります。」 2012/06/26
I神学生
2
神や宗教を持ち出さずに、しかし希望の根源である絶対者への信頼から来る慰めと励ましが、優しく、的確に語られている。2012/03/12
-
- 電子書籍
- 破滅のお姫様【タテヨミ】第18話 pi…
-
- 電子書籍
- 死神に嫁ぐ日【分冊版】 63 シルフコ…
-
- 電子書籍
- 深愛なるFへ オペラ座の怪人(2) フ…
-
- 電子書籍
- 十津川警部 神話の里殺人事件 双葉文庫