感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
後にサモアをフィールドワークした人類学者フリーマンが、著者の調査した少女が嘘をついたという証言を聞き取り調査し発表したことで、本書は批判と擁護の応酬に晒されることとなる。本書の副題が「西洋文明のための未開青年期の心理学研究」とあるように、サモアの女性の性的解放というテーマの背後に、母国アメリカの社会の旧弊さを告発する著者の意図が含まれ、そのように読まれていたからだ。記述から推測へ社会学が統計方法を転換する20世紀前半、人類学にも公平な異文化理解のために数学言語が導入されていく(レヴィ=ストロースの群論)。2021/11/07
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- 和書
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