内容説明
本書の特色は、第1に、人の生涯発達全体を人々とのかかわりの発展の視点からみようとしたことにある。第2は、青年期以降の記述を充実させたことである。中年・高齢期などにかかわる発達課題を扱った章およびクオリティ・オブ・ライフのための具体的方向を探った終章は、従来の発達心理学のテキストに欠落していた部分を補ったもので、類書にみられないユニークな個所である。第3は、全体を通して、臨床援助の視点を盛りこんだことである。こうした思いがどれだけ成功したかは、読者の方々の今後の評価に待つほかはない。
目次
序 生涯発達心理学の考え方
第1章 世界とのかかわり―さまざまな能力・関係性のはじまり
第2章 人々とのつながりを求めて―すすむ個性化と社会化
第3章 学び考える―知的能力の獲得と発達
第4章 人々の中で―自己の発見と他者との関係
第5章 自分をつくる―人格と自己意識の形成
第6章 人との結びつき―家族の形成と展開
第7章 働く―職業選択から生活の充実・向上へ
第8章 人々とのかかわり―地域での人間関係
第9章 かけがえのない生涯―真のバリアフリーをめざして
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コウメ
53
結構何回もどこかで見たことがあるような内容。/生涯にわたる発達の周期はいくつかの「発達段階」があり、各段階ごとにそれぞれ達成されるべき「発達課題」がある。/「胎児期」出産までの時期。「幼児期」生後1ヶ月、親との信頼や愛着を形成。「乳児期」6歳まで、話し言葉の量や質が進歩し、友達関係や性別意識、1人での排泄、衣服の着脱、食事の自立が進む。「児童期」小学生時期、仲間集団ができはじめ、「見られる自分」を意識し友達からの影響力が強まる。現代では身長・体重の身体面や性的成熟が過去の世代より早く大人レベルに達成される2020/05/04