内容説明
「ダ・ヴィンチ・コード」「世界物語大事典」の翻訳者が教える訳しにくい英語の訳し方。
目次
1 いくつもの意味をもつことば(brother,sister 姉か妹か、それが問題だ;young,old 若いのにold man?;khaki 幅の広い「カーキ色」 ほか)
2 文化のちがいによる訳しにくさ(度量衡で示す訳者の考え;日本の高1は10年生;警察の役職いろいろ ほか)
3 言語構造のちがいによる訳しにくさ(英語の何倍もある一人称;訳文へにじみ出る複数形;beforeはときに「あと」になる? ほか)
著者等紹介
越前敏弥[エチゼントシヤ]
文芸翻訳者。1961年、石川県金沢市生まれ。東京大学文学部国文科卒。訳書多数。現在、朝日カルチャーセンター新宿教室、横浜教室、中之島教室で文芸翻訳講座などを担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紡ぎ猫
14
翻訳者あるある。この英語、訳せない、って思うこと本当によくあるよね。英語で意味はよーくわかるけど、それにぴったりはまる訳語がないというか。大変参考になる本ではあったけど、紙の本でたったの173ページ(私は電子書籍で読んだ)で物足りない。もっとたくさん例文を読みたかった。integrity=訳語がびしっと決まらない←はまさにその通り。commitやdisciplineなんかも毎度苦労させられる。2020/08/11
timeturner
10
そうそう、この単語、ほんと困るのよ!と共感しつつ、示される訳例にさすがと膝を打ち、さっそくユーザー辞書に登録したりして、なんともありがたい内容だった。国によって異なる制度や慣習の違いについての悩みどころにも触れていてとても参考になる。2020/03/22
ふぁきべ
10
翻訳する際に英語でのダブルミーニングだったり、語義の違い(headと頭の範囲の違いなど)、文法や語法の違いによる訳しにくい単語や文章について紹介している。改めて思うのは、翻訳で求められるのは英語力だけでなく日本語力も含む言語の知識であるということ。翻訳をやってみたことがある人ならわかると思うが、意味を理解するのと自然な日本語に訳すということも全く別物であるし、言語学的に大きく離れた言語間の翻訳というのは本当に大変だと思う。2020/01/25
Mayu
7
純粋に言語だけの問題ではなく、例えば政治や法律などの社会的な仕組みの違いや、文化的背景の違いで訳しにくい言葉はこんなにあるんだなと…英米間でもギャップがあるくらいなので、日本語にしようとしたら難しいわけですよね。学習においては英語を和訳せずにそのまま理解した方がいいと言われますし、機械翻訳である程度意味がとれてしまう昨今では、わざわざ細部にこだわって日本語に翻訳するのは面倒に感じてしまうことも多いですが、それをあえてやることで、英語だけでなく、日本語の構造についても理解が深まるという面白さがあるなと。2024/08/07
Tomoko 英会話講師&翻訳者
5
図書館本 外国語から日本語に翻訳する人の苦労がわかる本。1トピック見開き2ページ。この単語にどういう日本語を当てはめるか、英語の方言をどう表現するか。英語を勉強している人から翻訳という仕事に興味ある方まで。2020/07/31