内容説明
空想への逆行から科学的な理論へ。小ブルジョア的理論がマルクスの名のもとに流布している。今日の資本主義がいかに国民の生活と命を踏みにじるものであるかは明白になっている。首相が「新しい資本主義」を唱えざるを得ない反面では中途半端な理屈が流行する。拙著は科学的な理論を深めるためのものである。
目次
第1章 牙を抜かれたマルクス主義(『21世紀宣言』と斎藤幸平准教授―独占資本の支配をどうするか;カール・マルクスと向坂逸郎、そして斎藤幸平;斎藤幸平君の主張を詳しく検討する ほか)
第2章 小ブルジョアインテリの夢想(小ブルジョアインテリの夢想;小ブルジョアインテリのたわごと;科学的社会主義と空想への逆行 ほか)
第3章 科学的社会主義は必ずよみがえる(なぜ社会主義をめざすか;社会主義とは何か;われわれのめざす社会主義 ほか)
著者等紹介
原野人[ハラノビト]
1939年長野県茅野市に生まれる。東大工学部で化学工学を専攻し、8年間民間企業に勤務。1971年、「公害のわかる求人」に応じて、社会党政策審議会に入る。科学技術政策委員会事務局長として、脱原発政策の確立に尽力。党が日米安保・自衛隊・原発を容認し、社民党になることに抗して、新社会党の「小さき旗揚げ」に参加。元理論担当中執などとして活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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浪
1
タイトルを見て「これは鮮烈な斎藤幸平批判か」と期待したが、なんと拍子抜けであった。 筆者原野人氏は日本社会党本部専従をへて新社会党に参加、同党中央執行委員まで務めた人物。 本書の第一章が斎藤幸平『人新生の資本論』批判にあてられている。 肝心な第一章の斎藤氏批判は、なんのこともない。『資本論』と向坂逸郎『マルクス伝』からひたすら抜き書きをして、その後ろに斎藤氏への悪罵を付け加えてているだけである。内容的な部分に立ち入るなら、斎藤氏の革命論上の日和見主義的偏向を批判する原氏の立場には宜うべきものがある。2023/02/12