内容説明
会食でのワイン選びで「通」を見せつけ、年代表を暗記してソムリエとの対決に備える…。そんなワイン・スノッブの世界を、軽妙につづったエッセー集。
目次
ワイン通になるための心構え
コーガイセンジョウ
通の裏技
デカンタージュ
シャトー・ラフィットの冒険
ワイン通が嫌われる理由
「優しくて好意的な」ワイン
肉に白ワインで何が悪い
ソムリエへの復讐
正しいワイン用語―ブーケ、テイスト、カラー〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっちも
18
結構楽しい。1960年頃のラフィットロートシルトは安かった。20ドル以下で売買されていたという。今では最新のラフィットでも5万円でも買えません。製造過程もたいして変わらなく、製造量が増えているのに凄く価値が暴騰している。虚実入り混じったワインワールドは、高圧的で高飛車に、威厳をもって振る舞わないと世界が成り立たない虚構です。ワインスノッブの悲しき実態、虚実虚実の入り混じった様をペーソスと笑いをもって示してくれる。そしてそれでもワインを肯定かつ魅力に溢れた表現をし、ワインへの愛憎を共感でき良かった2019/10/30
マサトク
1
ワイン好きあるあるというべきか、ワイン通百態をユーモラスに描くエッセイ。ワインの歴史が(ややもすると)日本と同じくらい浅いアメリカゆえの本だろうな(確かに、一昔前にアメリカン・カウボーイを自認するような男たちが「プイィ=フュッセ」について云々しそうにはない)。ワイン好きなら面白い本とは思います。2021/12/29
ヨハネス
0
え、あの人ってそんなにワインが好きだったんだ!と思い図書館で借り読んだら同姓同名別人さんとわかり、かすかにがっかり。自分がいかにワイン通であるか、また嫌われることか自嘲をたっぷりまぶして書かれており、とても楽しく読めた。20世紀に書かれた本なので、近年の当たり年ワインへの言及がないのが残念だけど、年を気にするのはフランスものだけでよいと知ったのも大きな収穫。訳者の注もまた知識が深まって大変よろしい。2013/08/15
カベルネ
0
「ブラインドテイスティングの傾向と対策」の章が、いかにも漫画やドラマで出てくるようなブラインドテイスティングの場面で、その後の理想と現実の落差もそんなものだよなと思うような描写だった。 かの偉人と同じ時代で同姓同名なのはかわいそう。レストラン予約する時に毎回失望されるのもつらい。2013/05/17
けよ
0
ワインに全く興味がない私でも結構笑えて楽しく読めた。無愛想すぎない脚注も面白い。なんとなくカレル・チャペックの園芸エッセイを思い出した。2010/07/19