内容説明
日本陸軍の異端児、2・26事件の鎮圧者、「満州国」建設の実行者、東亜連盟の指導者など、さまざまな顔を持つ昭和の傑物石原莞爾の全てを描く。
目次
修練
青年将校
満州事変
極東国際軍事裁判(東京裁判)
連隊長
国防上の諸計画
二・二六事件
支那事変
東条との対立
京都師団長〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フリージア
29
石原莞爾の豪放磊落なエピソードは耳にしていて興味がありましたが、戦争の詳細は難しく、読むのが大変でした。 明治22年生まれ。小さい頃から秀で、私心がなく、酒にも女にも煙草にも何の縁もなく、軍学を極め兵学に長け、ひたむきに精進した。彼が第二次世界対戦の参謀あるいは指揮官だったら。しかし昭和16年に解任され、石原莞爾の労作「戦争史大観」は東条英機の指令によって発禁処分となったそうだ。マッカーサーに宛てた建白書は、将来を語った内容がその通りに実現しており、驚く。昭和24年、60才で郷里の山形県で亡くなった。2021/08/19
大森黃馨
5
彼は言わば戦前の日本においてクーデターを起こし一時的に成功し権力を握るもそれも刹那なものでやがて劇的ではないものの権力を失ってゆき追い払われていった人物に思える彼から教訓を得るとすればなにか政治的変革を目指すとすれば自ら頭に立たねばならぬ奥の院に籠もってはならぬ泥臭さを拒んではならぬといったところか 2023/02/01