内容説明
慎重な計算、抜けめない策略、ギリギリの決断で、次々に政敵を倒し、30年余りシリアで独裁権力をふるってきた希代の天才政治家の人生をたどりつつ、中東紛争の謎を追う。
目次
第1部 革命家(山を下りる;フランスの遺産;党学校と陸軍大学;農民の反乱;カイロの陰謀;国家の奪取;党を握る ほか)
第2部 指導者(アサドの国家;サダト―ぐらついた同盟者;十月の幻想;ヘンリー・キッシンジャーとの決闘;一九七五年―破綻した年;レバノンのワナ;ジミー・カーターの偽りの夜明け ほか)
感想・レビュー
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印度 洋一郎
2
長年関係も深いイギリスのジャーナリストによる、シリアの前大統領(現大統領の父親)ハーフェズ・アサドの評伝にして、シリアの近現代史。シリアの被差別階級であるイスラムの少数宗派アラウィー派に生まれ、入隊した軍でアラブ世俗主義のバース党に加入し、頭角を現していく意外と地味で堅実な前半生。大統領就任後の大国エジプトとの対立、宿敵イスラエルとの中東戦争、アメリカやソ連を巻き込む国際政治の中での暗闘、そして国内ではムスリム同胞団のテロ、治安部隊を支配する実弟との権力闘争など激動の人生。これでは強権的にならざるを得ない2021/05/23
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