内容説明
和算家のなかには「旅」をしながら数学を教え歩く一群の人びとがいた。「遊歴算家」と呼ばれた人たちである。大島喜侍、山口和、佐久間纉、犬目の兵助…。彼らは、数学を生活の糧にするとともに、数学に深い愛情をいだいていた。こうして、文明開化とともに流入する西洋数学を素早く受け入れる素地をつくったのである。
目次
1 「算額」奉納(「算額」というもの;「算額」の問題の内容;「算額」のある場所)
2 遊歴算家(遊歴算家のはじまり;山口和の行動;佐久間纉の九州遍路;犬目の兵助の逃亡;遊歴算家と言われた人達;法道寺和十郎善;小松鈍斎;千葉胤秀;長谷川弘;剣持章行;遊歴算家に見いだされた一流数学者;千葉胤秀;長谷川弘;佐藤解記;入江修敬;橋本守善)
3 遊歴雑記(遊歴算家が遺したもの;遊歴中に起こること;遊歴算家の溜まり場・石黒信由家;高等数学の地方伝達者;遊歴算家の通行手形;遊歴算家を受け入れる素地;「道の人」の旅と宿)
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- 和書
- 徳川歴代将軍事典