出版社内容情報
近年、高齢ドライバーによる事故が社会問題になっている。しかし、マイカーへの依存度は高く、免許返納はなかなか進んでいない。特に公共交通が貧弱な地域では、運転に不安を覚えても、自由な移動を確保するためにマイカーを手放せずにいるケースも少なくない。
高齢化が進むなか、過度のマイカー依存状態から脱却しつつ、移動手段に困らない社会を構築するためには何が必要かを考えていかなくてはならない。
自動運転や電動化など、モビリティは100年に1度の変革期にあると言われている。様々な技術が開発される中、日本のモビリティにはどのような変革が起こるのか。自由な移動を確保するために、これからの日本のモビリティを考える。
内容説明
移動困窮からの脱却への鍵がここにある!
目次
第1部 移動困窮社会の回避に向けて(高齢ドライバー事故の衝撃;公共交通の状況;新たな時代に向けた課題;課題のソリューションに向けて;今後に向けてのビジョン)
第2部 高齢者等の移動手段確保に向けた運輸総合研究所における取組(高齢者等の移動手段確保方策に関する提言;デマンド交通シンポジウム「高齢者等がマイカーに替えて利用できる自由度・利便性の高い移動手段を考える」)
第3部 “対談”モビリティの革新による自由な移動の獲得(モビリティジャーナリスト楠田悦子氏×一般財団法人運輸総合研究所 会長 宿利正史氏)
著者等紹介
鎌田実[カマタミノル]
東京大学名誉教授・一般財団法人日本自動車研究所所長。1987年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。東京大学工学部講師、助教授を経て、2002年東京大学大学院工学系研究科教授、2009年東京大学高齢社会総合研究機構機構長・教授、2013年東京大学大学院新領域創成科学研究科教授。その後、2020年一般財団法人日本自動車研究所所長(現職)。専門は車両工学、人間工学、ジェロントロジー。国土交通省交通政策審議会、経済産業省自動走行ビジネス検討会、警察庁高齢運転者交通事故防止策に関する有識者会議などの委員、自動車技術会副会長、日本機械学会交通物流部門長などを歴任。交通文化賞(2015年)、自動車技術会論文賞(2021年)、日本機械学会論文賞(2022年)を受賞
宿利正史[シュクリマサフミ]
一般財団法人運輸総合研究所会長。1974年東京大学法学部卒業後、運輸省(現国土交通省)入省。在インドネシア日本国大使館一等書記官、運輸大臣秘書官、内閣法制局参事官、航空局審議官、同監理部長、同次長、大臣官房総括審議官、自動車交通局長、総合政策局長、大臣官房長、国土交通審議官などを経て、2011年事務次官。その後、2013年東京大学公共政策大学院客員教授(現任)、2014年一般社団法人国際高速鉄道協会理事長(現任)、2021年公益財団法人日本海事センター会長(現任)。編著に『国際交通論』(東京大学出版会、2022年、第48回交通図書賞受賞)、などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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