出版社内容情報
大好評『悩ましい国語辞典』の第三弾! 「悩ましさ」が倍増
辞書一筋42年、『日本国語大辞典』の編集者はまだまだ悩んでいる!
「風邪」はなぜ「引く」と言うの?
なんで最後に出演する人は「トリ」?
「ヤブ医者」の「ヤブ」って何?
内容説明
辞書一筋の編集者は困惑している。近頃は、せっかちな江戸っ子が「にっぽん(日本)」を「にほん」と言い換えたとか、「やぶ医者」の語源は地名だとかテレビが放送してしまう。文献例を押さえればすぐに誤りとわかるのに。しかし、日本語の謎は奥深い。「ぐれる」はハマグリを逆に言ったのが語源で「ポシャる」は帽子のシャッポを逆にした言い方が変化した。だが、なぜその意味に変わったのかわかっていないのだ。ことばは時間とともに思いもしない形に変化する。その謎の深淵を覗く辞書編集者の悩みはまだまだ続く!
著者等紹介
神永曉[カミナガサトル]
辞書編集者。元小学館辞典編集部編集長。1956年、千葉県生まれ。80年、小学館の関連会社尚学図書に入社。93年、小学館に移籍。尚学図書に入社以来、37年間ほぼ辞書編集一筋の編集者人生を送る。2017年2月に小学館を定年で退社後も『日本国語大辞典第三版』に向けての編纂事業に参画している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
49
【「風邪」はなぜ「引く」と言うのか? 我が国の名前の正式な呼び方は?】長年、編集者として国語辞典と関わってきた著者が、辞典・事典の検索サイト「ジャパンナレッジ」に連載したコラム「日本語、どうでしょう?」の書籍化第三弾。巻頭に「凡例」がきて、本文も国語辞典と同じく「あいうえお」順。巻末に「『ワードウォッチング』のすすめ」、参考文献とジャンル別索引。2022年刊。<実際の文献から用例を積極的に引用するように心がけた。私は辞書編集者として、語にとって文献からの用例がいかに大事かということを深く学んできた>と。⇒2024/06/25
アカツキ
10
悩ましい国語辞典3作目。日本語エッセイと、気になる言葉を追究するワードウォッチングについて。日本の読み方は"にほん"でも"にっぽん"でもいいらしい。私は"にほん"派だけど、"ひのもと"という読み方も好き。意外だったのが「ほっこり」。心が温まる、ホッとするという意味合いで使っていたけれど、まったく違う意味で使っている地域が私が住んでいるところから大して離れていない場所だったこと。日常生活で「ほっこり」は使うことがないから気づかなかったな。2023/02/05
知降 星人
1
「『にっぽん』又は『にほん』という読み方については、いずれも広く通用しており、どちらか一方に統一する必要はない」~国名が二通りあって、しかもそのどちらでもよいなんて、そのような国は他にあるのだろうか。だがそんな決定は、日本にふさわしいような気がする。2023/05/29
aoto
1
シリーズ本。今回の本を初めて手に取りました。使用されている日本語の意味の由来と、現状と、本来の意味とを丁寧に解説してくれる。ソースをはっきり明記している点が何より誤解を生まないと思う。文献を調べ、「お初」を探そうとしている姿が素敵だ。例えば収束と終息。感染症における二つの単語の使われ方を分析し、意味を測る。また、夏目漱石の道草や文学論を手に取り、どういう使われ方をしていたか分析する。辞典とも、コラムとも、研究書とも思える読み方ができる。2023/04/10
siomin
0
日常使われていることばにしても、疑問にもったらいくらでも出てくるものですね。それを辞書編集者が解説するシリーズの一冊です。知恵熱は小さい子が出す熱のこと、三寒四温は日本では起きず日本統治下の朝鮮半島では起きるのでそこから広まったとか、知らない言葉の知識を知ることができます。しかし、NHKのチコちゃんは信頼性が薄いことばの知識を流すことがあるようで、いくら「諸説あります」とは言ったとしてもそれはどうなのか。2024/10/25