内容説明
日本最大の辞書『日本国語大辞典』(13巻)。その編集者が言葉の変化の過程をスリリングに書いた日本語エッセイ。「悩ましい」ということばについて「官能が刺激されて心が乱れる」という意味しか載せていない国語辞典がほとんどだったが、最近は「AかBかの選択は悩ましい問題だ」(苦悩)という使い方をする人が増えている。これは誤用か?実は歴史的には苦悩の意味の古い用例があり、こちらが原義…。ことばは本当に悩ましい!
著者等紹介
神永曉[カミナガサトル]
小学館出版局「辞書・デジタルリファレンス」チーフプロデューサー。1956年、千葉県生まれ。小学館に入社以来、36年間ほぼ辞書編集一筋の編集者人生を送っている。NPO法人「こども・ことば研究所」を共同設立し、「辞書引き学習」を中心とした活動で全国行脚している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
127
これこそ読んでいく辞典であると思います。この本を書かれた方は日本最大の国語辞典である日本国語大辞典(全13巻)を長年にわたって担当してきた人だそうです。最近の用法や意味が変化している言葉などを200語近く収めていて解説してくれています。かなりきちんとした本で文化庁の調査なども引用されていて信頼できる本であると感じました。2016/04/02
ヒラP@ehon.gohon
29
日ごろ自分が使っている言葉が、なんと不用意で不確かなものか、さいにんしきしました。 今どきの若者言葉についていけない自分が、同じように本来の日本語の意味合いを、取り違えて使ってきたことを痛感しました。2022/11/22
けんとまん1007
28
それにしても、辞書を編纂するとういうのは、想像を絶する世界だなあ~と実感。その深さ、広さだけでなく、時代とともに変化するということもある。それから、方言とか地域による違い、メデイアやネットの影響もある。この手のを何冊か読んでいるので、お馴染みのも多かったが、改めて、日本語の奥深さを感じられる。この本の改訂版が数年置きにでると面白いかもしれないなあ~。2016/06/16
Book・CaFe
19
【船を編む】【三浦しをん】さんの推薦‼︎と帯に書かれていたので購入。 小学館に入社して36年、日本最大の辞書【日本国語大辞典】13巻 第2版の編集に関わってきた著者。 意味が揺れている悩ましいことばのエピソード集。特に歴史的背景や古典などから引用されていることばの語源は興味深い。 意外と間違って理解していたことばが、多いことに気付かされた。 【爆笑】【蛇に◯◯まれた蛙】は辞書で再確認しても良いかも… 新しい辞書が欲しくなり、本屋に行く度に辞書を物色しているこの頃2020/06/23
アカツキ
16
実際に文章に書かれた例をもとにして作られている「日本国語大辞典」の編集者の著者が日本語について書いたエッセイ集、辞書編集者の仕事について書いたもの。為になるし面白かった。好きだったのは方言についての項目。蚊に噛まれる、スコップは小さくてシャベルは大きい、洗濯機は"せんたっき"など、関西人の私はうんうんとうなずく。ほかの地方の方もそうそう!という感じだったのか気になる。「鈴蘭」の項は異名もエピソードもロマンチックで素敵。2023/01/28
-
- 和書
- 宇宙人とみつける仕事図鑑
-
- 和書
- 今生論(こんせいろん)