内容説明
少女時代、フィンランド留学、演奏の世界をコトバで弾く。“天使の音”と評されたチェロ奏者のピュアなエッセイ集。
目次
序奏―音楽家族
天使の音(カザルスの音色;チェロの少女 ほか)
なぜか留学はフィンランド(留学の決断;思わぬ猛反対 ほか)
陽子の部屋(コンサートの日、高熱が…;百年ぶりの猛暑―モスクワ空港のハプニング ほか)
チェロの歌声(青春のブラームス―懐かしい失敗談;三台のチェロで弾きわけた「無伴奏CD」 ほか)
著者等紹介
長谷川陽子[ハセガワヨウコ]
井上頼豊氏に師事。第54回日本音楽コンクール第2位受賞。1987年、音楽之友社主催「フレッシュ・アーティスト・シリーズ」にてデビューリサイタルを行う。1988年小林研一郎指揮、日本フィルハーモニー交響楽団のニューイヤー・コンサートにおいて協奏曲デビュー。同年、桐朋音楽大学に入学。デビュー・アルバム『珠玉のチェロ名曲集』で邦人チェリストとして初めてクラシック・ヒットチャート第1位になり、注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とま
3
チェロに魅了された作者が演奏を通じて急成長する話。随分バイタリティのある人だなぁというのが一番印象に残りました。実力をつけるには才能も勿論大事だけど、この人の場合は物事に打ち込む熱意がハンパじゃない。困難をものともせず突き進む強さは見習いたいと思いました。2015/12/03
コニコ@共楽
2
友人からの紹介で読んだ本。努力家で真摯な人柄が伝わってくる文章。フィンランドの留学体験が活き活きと描かれていて、音楽家としてだけでなく人間としても大きく成長したのがわかります。 2012/01/25
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1
著者の人柄がよく出ている温かいエッセイ。チェロ好きでなくとも、チェロが思わず聴きたくなるほっこりした一冊。2010/12/08
fumiko212
0
若き日の陽子さんが、手にしたチャンスを一つずつものにし、チェリストの階段を上っていく姿が眩しい。音楽を深いところで理解し、それをチェロで表現するための技術を徹底的に身につけたフィンランドの日々なくして、その後の活躍はなかったと思うと、人生のどこかで没入する時間が必要なのだと感じる。素直な心で努力し探求する姿勢が、善き師、良き仕事仲間を引き寄せ、彼女を輝かせているのだ。陽子さんの音楽には、彼女の育ちの良さが現れていて、聞く者の心を安心させ、音楽の深い森に連れていってくれる。2022/06/18