内容説明
おそらく日本は、正面衝突をうまく避けながら、従属への誘いにも乗らず、新たな地位を築こうとするだろう。日本の経済力、金融力、通常兵器による強い防衛力、そして世界公共財の推進によって培われた国際的影響力を総合した独自の地位である。それは、豊かで平和主義の、アジアにおけるスイスのような存在と言ってもいいかもしれない。つまり、日本は中国という惑星の周囲を回る衛星になるより、その軌道を外れて独自の軌道を描くのではないかと思われる。
目次
第1章 経済大国2カ国のこれまでの歩み(龍の目覚め;相撲の踏ん張り;日中両国のかかわり合い)
第2章 経済大国の強みと弱み(経済大国の武器;待ち受ける試練;経済大国を揺るがした危機)
第3章 日本―正常化を求める経済のリーダー(アジア経済のリーダー;“正常化”を求める日本)
第4章 中国―世界大国への道(アジア経済のリーダーへ;アジアそして世界を舞台とした中国の大望)
結論 中国対日本
著者等紹介
メイヤー,クロード[メイヤー,クロード][Meyer,Claude]
パリ政治学院教授。国際経済を専門とし、アジアに関する数多くの著書で知られる。ソルボンヌ大学で哲学と社会学を学び、その後経済学博士号を取得。学生時代に上智大学に2年間留学し、帰国後フランスにて東京銀行グループに勤務。以後30年間グループ内でさまざまな職務を担当し、東京三菱銀行パリ支店の副支店長も務めた。2000年からは研究と教育に専念し、フランスのみならず、アメリカ、中国、日本(慶応義塾大学)でも講義を行っている
橘明美[タチバナアケミ]
フランス語・英語翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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