内容説明
恋が終わった時、仕事に行き詰まった時、家に帰りたくない時、もう若くはないと感じた時、なぜ生きるのかと考えてしまったら―。精神科医の著者が語る、意味や救いに寄りかからぬ生き方のすすめ。
目次
第1部 まず破壊を(イヤなことを言う;思い込みの由来)
第2部 廃墟の中で呆然と(人間の一生とゲーム、そして死の不安;さまざまな誘惑としての救い)
第3部 ここで踊れ(死に絶える覚悟)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
9
「人生には意味がある。ぼくにもきみにも役割がある」みたいな嘘八百がどれだけの人間を不孝にしていることか。たまたま生まれたことにも瞬く間に死んでいくことにも意味など全くない。今が宇宙の歴史上ほんの僅かにこじ開けるようにここから開闢している特別な時間なことは確かだけれど、それをどう使おうが自由だ。何かを為して喜んでも虚無感を抱えたまま死んでいっても構わない。どうせ人はみんないなくなるし、この宇宙も遥かな時間の果てには全ての活動を停止はするらしいから。ニヒリズムと共に勝手に生きる意味を幻想したらいい。2023/11/12
quemuri
1
突き放して考えて見ると客観的で測定可能な「人生の意味」というものはありません。私のもの、子供たち、業績、記憶、記録のすべてがいずれ無意味の彼方へ雲散霧消してしまうという事実、この宇宙的虚無をがっつり抱え込んだ上でどう立ち向かうか、というマニフェストですね。ヨリフジ先生の最終形態と言っていい内容かと思います(この本の出版直前にガンが見つかり、ほどなく逝去されました)。「人生応援団」などと比べると文体が硬く突き付けてくる事柄が途方もなく容赦ないので、読む人を選ぶとは思います。2019/08/15
sutekibito
1
生きることの(無)意味について、同意しかねる箇所もいくつかあったが興味深く読んだ。ニヒリストになりそう。 斯う居るも 皆がい骨ぞ 夕涼 個体は遺伝子の道具としての「乗り物」に過ぎない2011/11/29
いとこ
1
数年ぶりに再読したが、それでも面白い内容だった。2011/03/11