学問は信頼されていないのか―統計でみる日本における科学の政治化

太郎丸 博【編】

新曜社（2025/08発売）

• サイズ A5判／ページ数 176p／高さ 21cm
• 商品コード 9784788518902
• NDC分類 404
• Cコード C1036

出版社内容情報

日本学術会議任命拒否問題をはじめ、自公連立政権と学問＝科学との対立が意識されるようになって久しい。では、一般市民は科学に対してどのような視線を向けているのか。果たして、学問への信頼は凋落しているのか。計量的データをもとに分析する。


【目次】

内容説明

有権者の科学への支持が、学問の自由の生命線である。一般市民の科学に対する信頼／不信の実態を、統計的なデータをもとに多角的に分析する。

目次

第１章　科学の政治化と世論（太郎丸博）
第２章　科学社会学から知識社会学へ―科学者・知識人と一般層の比較研究序説（栗田宣義）
第３章　学者に対する信頼の凋落あるいは科学の政治化？１９９９‐２０１８（太郎丸博）
第４章　科学の進歩に懐疑的なのは誰か？―自民党支持層に着目した日本における集団特殊説の検証（藤田智博）
第５章　自己表現重視の価値観と科学への信頼―調整変数としての学歴（池田裕）
第６章　保守主義者は文系の学問に否定的か（渡辺健太郎）
第７章　陰謀論的言説の受容にいたる二つのルート―エリート不信と知識の欠如（山本耕平）
第８章　現代日本における環境リスク認知の規定構造―ローカルな環境問題とグローバルなリスクの比較（阪口祐介）
終章　科学が信頼される社会へ向けて（太郎丸博）

著者等紹介

太郎丸博［タロウマルヒロシ］
京都大学文学研究科教授。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程中退、博士（文学）（京都大学）。専門は、社会階層論、科学社会学、社会学方法論（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[於千代]

アメリカでは保守層に科学への不信感がみられる一方、日本では保守層のほうが科学を信頼する傾向があるという分析はとても興味深かった。 さらに、レイシズムと文系学問の効用認知との間に負の相関が見られるという指摘も、文系学問の社会的な意義を考えるうえで重要だと感じた。

2025/12/07

[MZ]

タイトルは「学問は信頼...」ですが、勝手な定義で人文学を科学に含め「科学が信頼されているか」にすり替えたり、科学・学術・学問という用語を各著者の都合に合わせて使い分けていたり、どうにもスッキリしない。データもコロナ前ばかりで古い。 一部著者の党派性が露骨で保守・自民党支持に対する偏見・侮蔑的態度も透けて見える。理屈を捏ね回しても保守だけ分析してのレッテル貼りは一方的すぎる。 科学は信頼するが科学者は信用しない、と考える人がどの程度いるか一番興味あるところですが、それは分析できなかったそうな。

2025/12/23

[やす]

インターネットのモニター調査が主なデータソース絵ではあるが、政治思想と科学への信頼度がまとめられたいい本。

2025/12/18