出版社内容情報
道徳教育は小学校以降と見なされ、幼稚園や保育所でその育成が掲げられることはあまりない。しかし充実した人生を送るためには、幼児期・児童期に、適切な優れた「道徳教育」を受けなければならない。道徳教育の革新のための考え方と理論、実践例。シュタイナー教育を受け、自らも実践してきた著者たちによる、道徳教育革新のための提言。
内容説明
感謝の心、友情、悪を憎み善に向かう心、教師への敬愛、真理探究心等はどうしたら育つのか。ラッセル、シュタイナー、カントらを拠に、わが国の道徳教育を、いじめ問題などとの関わりで論じ、革新への道を拓く。
目次
序章 いまこそ道徳教育の革新が必要である
第一章 危うい日本の道徳教育―軽視される幼児期
第二章 道徳教育は、幼児期から始めるべきである
第三章 幼児期の道徳教育―シュタイナー幼稚園における実践
第四章 人形劇で育つ子どもの道徳性
第五章 多難な児童期の道徳教育―問題状況の原因を見つめ、革新への道を拓く
第六章 教科化された「道徳」への教員の声と革新の道―公立小学校の道徳教育と子どもの現状
第七章 子どもとの信頼関係を築く―革新の道を拓く根本
第八章 道徳性を育む教育課程と教育方法―シュタイナー学校の第七学年(中学校一年)を中心に
第九章 舞台表現活動における道徳性の成長―日本の小学校の「総合的な学習の時間」における実践
結章 教育者・教師に必要な道徳の哲学・思想―カントに学ぶ
著者等紹介
広瀬俊雄[ヒロセトシオ]
1942年生まれ。東北大学大学院博士課程修了。教育学博士。1990~91年、ウィーンに留学し、シュタイナー幼稚園・学校の研究に従事。職業訓練大学校助教授、広島大学教授、同志社女子大学教授を経て、現在、広島大学名誉教授。2018年、第六七回読売教育賞優秀賞受賞
松崎行代[マツザキユキヨ]
1967年生まれ。京都女子大学大学院現代社会研究科公共圏創成専攻博士後期課程満期退学。博士(現代社会)(京都女子大学、2017年)。飯田女子短期大学幼児教育学科教授を経て、現在は京都女子大学発達教育学部児童学科教授。専門は、児童文化学、地域社会学
広瀬綾子[ヒロセアヤコ]
1977年生まれ。1990~1991年、オーストリア・ウィーンのシュタイナー学校(Rudolf Steiner‐Schule Wien‐Mauer)の第七学年に編入学・在籍。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。兵庫県立ピッコロ劇団劇団員を経て、現在、大阪キリスト教短期大学幼児教育学科准教授。小学校、中学校や公立の演劇学校などで、演劇指導を担当する。私立のこども園、公立小学校における「総合的な学習の時間」、京都教育大学附属特別支援学校高等部などで、弦楽器「バンドーラ」制作と演奏の指導を行う
本間夏海[ホンマナツミ]
1976年山口県生まれ。日本経済大学准教授。女子美術大学非常勤講師。広島大学大学院教育学研究科修了。神奈川県公立小学校教諭を十一年務め、日本大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学を経て、2018年4月より現職。専門は教育方法学。1998年、2015年スイス留学、ルドルフ・シュタイナー学校シーラウ校(チューリッヒ)にて研究調査を実施
広瀬悠三[ヒロセユウゾウ]
1980年生まれ。1990~1991年、オーストリア・ウィーンのシュタイナー学校(Rudolf Steiner‐Schule Wien‐Mauer)の第三学年に編入学・在籍。京都大学大学院教育学研究科修士課程修了後、ロンドン大学教育研究所、ドイツ・ヴュルツブルク大学大学院(DAAD長期奨学生)への留学を経て、京都大学大学院教育学研究科博士課程研究指導認定退学。博士(教育学)。現在、京都大学大学院教育学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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