出版社内容情報
文化的事象を細部にわたり分析しながら、それがいかなる社会的背景・文脈のもとにどのような実践として生成しているのかを描き出す文化社会学。そのコンセプトのもと、多様なテーマに取り組んだ著者たちの成果を一冊に凝縮。
狭義の文化に限らず、身体技法や学問分野にいたるまで、広義の「文化」を通して、その当時の社会的文脈を逆照射する。
内容説明
文化を読み解き、文化で読み解く。文化とは、研究の「対象」であると同時に「方法」でもある。見過ごされてきた「文化」を拾い上げ、それが本来いかなる実践だったのか再考することを起点に、その土壌となる社会的文脈をも捉え直す。私たちを新たな意味と解釈の地平へと誘う文化社会学の醍醐味。
目次
第1章 振る舞いの近代―背負うという身振りの消失
第2章 宝塚少女歌劇と日本におけるオペラの模索
第3章 待つこととメディア―メディアと日常性の再考に向けて
第4章 国策映画と動員政治―一九七〇年代韓国における映画統制と生徒の映画団体観覧
第5章 NPOの歴史的位置―NPO法制定・改正過程における主体性の変遷に着目して
第6章 栗原彬における言語政治学の構想―啓蒙的理性からコミュニカティヴな民衆理性へ
第7章 方法としての社会運動論―佐藤健二の「社会運動研究における「大衆運動」モデル再検討の射程」から
第8章 尾高邦雄はなぜ職業社会学を維持できなかったか―もうひとつの職業概念に向けて
第9章 災害社会学の方法史的検討―山口弥一郎の『津波と村』を事例にして
第10章 地方都市社会論の構築に向けて―「伝統消費型都市」概念再考
著者等紹介
出口剛司[デグチタケシ]
1969年大阪生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授
武田俊輔[タケダシュンスケ]
1974年生まれ。法政大学社会学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。専門は文化社会学・地域/都市社会学・メディア論。主な業績に『コモンズとしての都市祭礼―長浜曳山祭の都市社会学』(新曜社、2019年、第5回日本生活学会博士論文賞、第13回地域社会学会賞「個人著書部門」、公益財団法人後藤・安田記念東京都市研究所第46回藤田賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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