内容説明
大地と人の関係を問い直す。刺激し、変様する大地の力と生あるものの折り重なりを読み解く「文化」の地理学。その始まりから人間主義地理学を経てポスト人間中心主義に到る思想の転回と展開を詳説。「自明のもの」を疑うことからひらかれる、場所や空間、風景や自然の新しい理解。
目次
地理のはじまり
伝統的な文化地理学と「文化」
意味づけられた地理
文化論的転回と新しい文化地理学
政治的なるものの地理
資本主義権力の地理
他者化の地理
自然の地理
関係的な文化と地理―変わりゆく人間概念
物質性の地理
身体をめぐる地理
空間にともに投げ込まれていることの地理
参考文献
あとがき
著者等紹介
森正人[モリマサト]
1975年香川県生まれ。三重大学人文学部教授。専攻は文化地理学。2003年関西学院大学大学院博士課程後期課程文学研究科修了。博士(地理学)。2003年三重大学人文学部講師、2018年より現職。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
11
難解なことを、理論と実例で示そうとしていることは分かったが、まとめのように書かれている一文が多くのことを省略していて、結局何が言いたいのかわかないことが多数。ただ、文化地理学の前提となる文化についていろんな視点をー知ることができたのは収穫。◇〜〜転回という言葉はturn のことだが、よくわからないなあ。結局、地理学とか文化は欧米の学問だと理解した。 2025/06/22
かんがく
11
先月、現代思想に関する本を多く読んだのでだいぶ読みやすかった。歴史学に比べて地理学は自然科学に近いイメージがあったが、私たちの生きる空間は様々な政治権力の影響を受けていることがわかった。四国遍路、バリ島などの実際の事例も多く興味深く読めた。2022/05/15
アメヲトコ
7
21年9月刊。ふだん我々が「地理」という言葉からイメージする地図や地形、産業などの話ではなく、「地理」をめぐる思想の系譜を整理したもの。現代思想に親しんでいると取っつきやすいかも。一部やや論理の飛躍を感じる箇所もありましたが、我々が所与のものとしている空間の捉え方を揺さぶる指摘が多く、とくに後半の議論は刺激的でした。2022/05/27
しんい
4
なんというか、難解。そもそも地理学は植民地の拡大とともに発展し、「原風景」にしても皇帝や国王(ナポレオン三世とか)や政治家がこうあるべきというところから設定されたもの。日本のうつくしい棚田もそう(美しいですが、自然のものではない)。文化地理学の歴史が超ながくて、これからの「ポスト人間中心主義」のところをもっと読みたいです。2021/11/13
Hiroki Nishizumi
3
教科書的な記述。内容は悪くないので、もう少しプレゼン的要素を加えるともっと良かったと思う。2022/03/11
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