目次
第1部 東京帝国大学文科大学英文学科という環境(新帰朝者夏目金之助―ロンドン留学と前任者小泉八雲の影;帝大生と「文学論」講義―受講ノートと時間割;「形式論」講義にみる文学理論の構想―「自己本位」の原点)
第2部 「文学論」講義と初期創作(シェイクスピア講義と幽霊の可視性をめぐる観劇慣習―「マクベスの幽霊に就て」から『倫敦塔』へ;“描写論”の臨界点―視覚性の問題と『草枕』;「間隔的幻惑」の論理―哲理的間隔論と『野分』;「集合的F」と「識域下の胚胎」―『二百十日』への一視点)
第3部 『文学論』成立後の諸相(漱石没後の『文学論』の受容とその裾野;張我軍訳『文学論』とその時代―縮刷本・『漱石全集』の異同を視座に;「文学の科学」への欲望―成〓吾の漱石『文学論』受容における“微分”)
著者等紹介
服部徹也[ハットリテツヤ]
1986年、東京生まれ。2018年3月、慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(文学)。2018年4月より大谷大学任期制助教。専門は日本近代文学、文学理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rbyawa
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k015、いわゆる夏目漱石が帝大で講義を行っていた時代にまとめられたのが『文学論』となっていて、それがどんな経緯で出版されたとか当時の印刷事情によるトラブルとか、生徒たちのノートの行方とか、中国における許容度とか、芥川が晩年にその本を受けて『文芸一般論』を出版していたりこう、意義深くはあったが面白いかというとちょっと…厨川白村だとか小泉八雲の文学理論との比較くらいはわかりやすかったけどね、確かにターゲットが別物だわ納得。それとまあ全体的な文学研究の偏りの話なんかも、文学理論の歴史ももうちょっと読みたいな。2020/03/05