出版社内容情報
◆情報通信技術は環境だ!
モノのインターネット、スマホ、人工知能、無人自動車、サイバー戦争……デジタルICT(情報通信技術)が、単なるツールを超えて私たちの現実をつくりかえつつあります。渦中にあるためとらえにくいですが、私たちは広範な文化的革命の始まりを目撃しているのです。それは大きな可能性とリスクをもっています。ICTが個人、社会、世界、環境に与える影響を予測し、制御し、経済や社会、政治的なダイナミクスを向上させるために、今起こりつつある根底からの変化を読み解く、新しい概念と哲学が求められています。私たちが直面する新たな困難に意味づけを与え、適切な知的枠組みを開発するための、情報の哲学です。本書はその試みです。人間はコペルニクス革命によって宇宙の中心ではなくなり、ダーウィン革命によって特別な種ではなくなり、フロイト革命によって自らの主人でもなくなりました。そして第四の情報革命は、人間をどこに導くのでしょうか?
第四の革命 目次
はじめに
謝 辞
第1章 時 間─ハイパーヒストリー
人間開発の三つの時代
教 育
データ
メモリ
接続性
むすび
第2章 スペース─インフォスフィア
技術の中間性
インターフェース
デザイン
技術の政治学
技術の解釈と創造としてのICT
インフォスフィアでの生活
むすび
第3章 アイデンティティ─オンライフ
自己のテクノロジーとしてのICT
ハイパー自己意識
アイデンティティのパラドックス
我々の情報的な性質
身体性─アプリとしての自己
スペースにおける存在─場所 対 存在
時間の中にあること─古びること 対 歳をとること
記憶と相互作用─自己の安定化
知覚─デジタルな凝視
情報からなる身体─e?健康
e?教育
むすび
第4章 自己理解─四つの革命
最初の三つの革命
第四の革命
情報有機体
強化し、拡張し、そして再デザインする技術
むすび
第5章 プライバシー─情報摩擦
最もかけがえのない財産
「?からの自由」としてのプライバシー
情報摩擦
匿名性
エンパワーメント
なぜプライバシーが問題なのか
プライバシーの自己構成的な価値
生体認証
むすび
第6章 知 性─世界に書き込む
変化し、衰退していく知性
バカなほどに賢いもの
チューリング・テストとローブナー賞
フレーム問題とシンボルグラウンディング問題
二つのAIの物語
むすび
第7章 エージェンシー─世界を覆う
ICTフレンドリーな環境
人間のインフォスフィアを使う機械
洗練された機械+人間の知能=賢いシステム
人工コンパニオン
セマンティックウェブとそのシンタクティックエンジン
ウェブ2・0とそのセマンティックエンジン
ウェブとインフォスフィア
むすび
第8章 政 治─マルチエージェントシステムの登場
政治的アポトーシス
新しい情報体制?
政治的マルチエージェントシステム
インフラ倫理
ハイパーヒストリーの紛争とサイバー戦争
むすび
第9章 環 境─デジタルの先の一手
人新世のコストとリスク
先の一手
むすび
第10章 倫 理─e?環境主義
訳者あとがき
文 献
推奨図書
注 釈
索 引
装幀=荒川伸生
ルチアーノ・フロリディ[ルチアーノ フロリディ]
春木 良且[ハルキ ヨシカツ]
犬束 敦史[イヌツカ アツシ]
先端社会科学技術研究所[センタンシャカイカガクギジュツケンキュウジョ]
内容説明
私たちはいま、コペルニクス、ダーウィン、フロイトの革命に続く、デジタルICTがもたらした第四の革命の只中に生きている。ICTは、もはや単なるツールではない。それは環境であり、私たちの知的、物理的なリアリティを創り、自己理解と相互に関わるしかたを変え、世界を解釈する力となった。今起こりつつある根底からの変化は、どのような可能性とリスクをもたらすのか?ICTの進歩は、人類とその見通しうる未来に、どのような影響を与えるのか?
目次
第1章 時間―ハイパーヒストリー
第2章 スペース―インフォスフィア
第3章 アイデンティティ―オンライフ
第4章 自己理解―四つの革命
第5章 プライバシー―情報摩擦
第6章 知性―世界に書き込む
第7章 エージェンシー―世界を覆う
第8章 政治―マルチエージェントシステムの登場
第9章 環境―デジタルの先の一手
第10章 倫理―e‐環境主義
著者等紹介
フロリディ,ルチアーノ[フロリディ,ルチアーノ] [Floridi,Luciano]
1964年ローマ生まれ。ローマ・ラ・サピエンツァ大学で古典学、哲学を学び、イギリスのウォーリック大学に進んで認識論と論理哲学を研究、1989年に博士号を取得。現在、オックスフォード大学セント・クロス・カレッジのフェロー。専門は、哲学及び情報倫理学
春木良且[ハルキヨシカツ]
フエリス女学院大学国際交流学部教授。東京大学工学系研究科博士課程単位取得期間満了退学(先端学際工学専攻)。経営情報学会社会連携型PBL研究部会主査
犬束敦史[イヌズカアツシ]
キャスタリア株式会社コンサルタント。東京大学教養学部地域文化研究学科ロシア・東欧地域文化研究分科卒業。学生時代の専門はロシア研究、特にロシアの教育におけるICTの活用について研究する。現在の専門はモバイルラーニング(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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