愛国的無関心―「見えない他者」と物語の暴力

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愛国的無関心―「見えない他者」と物語の暴力

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788514539
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C1090

出版社内容情報

◆この息苦しい閉塞感に風穴を開けるために!
「韓国」「北朝鮮」「在日」などの記号に罵声を浴びせるヘイトスピーチ、ネット上での匿名による中傷など、最近の愛国的空気のなかには、明らかに相手は誰でもいいという「他者への無関心」があります。本書は、このような風潮を近代日本の帝国主義に基づく無関心に起因しているとして「愛国的無関心」と名づけ、その構造を近現代のメディア言説、小説、映画などを題材に明らかにしていこうとします。そのさい、かつてファシズム期に行なわれた「伏字」(危ない文章を○や×で置き換えたもの)という日本独特の検閲制度が重要な役割を果たし、我々の他者への不感性を作り上げてきたと言います。瀬戸内寂聴、徳田秋声から現代の「在日」小説までをとりあげて、斬新な視点から思想史に新風を吹き込みます。デビュー作『帝国と暗殺』の続編でもあります。

内容説明

狂熱的な愛国は、他者への無関心から生まれる。この「愛国的無関心」とも呼べる現代の風潮を、日本独特の検閲制度に起因する感性として、さまざまな物語からあぶりだす。現代の出口のない閉塞感に風穴を穿つ力作。

目次

第1部 帝国と検閲(愛国とジェンダー;伏字のなかのヒロイン;反逆の想像力;天皇制と暗殺)
第2部 物語の制度(ヒロインを降りる;帝国とファム・ファタール;帝国の養女;壊れた物語;朝鮮と在日)

著者等紹介

内藤千珠子[ナイトウチズコ]
1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、大妻女子大学文学部准教授。近現代日本語文学、文芸批評。著書:『帝国と暗殺―ジェンダーからみる近代日本のメディア編成』(新曜社、2005年、女性史学賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

渡邊利道

5
近代文学の名作とごく最近の作品の読解を通し、近代の日本語に作られた「何かを見ずに済ませる」ものとしての「伏字」的視角の構造を、帝国主義とジェンダーの理論から考察する。二元論的な言説の配置は逆転しても変わらないという批判や、その構造を析出する枠組みはなかなか面白かったが、具体的な作品の分析はやや短めなものが多く物足りない部分もあった。個人的に一番面白かったのは藤野可織『爪と目』論。主題の側からあまり読みのコンテクストを決め打ちすると作品論としてはやはりちょっと窮屈になるのかもとかも少し思った。2020/01/23

えんさん(연싼)@読書メーター

2
タイトルから在特会やヘイトスピーチに関する本かと思いきや、帝国主義と植民地主義を近現代の文学から読み解いていくもの。触れたことのない分野で、文学と植民地主義、帝国主義の結びつきが理解しづらい。戦前の検閲制度による伏せ字、また今日の文学にやる表象が、ヘイトスピーチで何となく敵と見なす「在日」や、他にも女性、路上生活者などを見えづらくしていると指摘した部分は、なぜ今日まで日本が過去の加害を問われているのかを分かりづらくしているしていることと繋がっていると感じた。2016/01/28

田中峰和

1
一見、在日や特定の国に対してヘイトスピーチを叫ぶ連中への批判書かと思って読みだしたが、内容は帝国主義時代から現代までの文学論だった。大逆事件と韓国併合から百年を経た2010年、皇室関係のスキャンダルとして持ち上がった「アンチ雅子」報道。メディア上には雅子という記号が、天皇制を巡るスキャンダルの主人公として行きわたった。雅子を侮蔑的な呼び名「ドス子」へと呼び替え、負の要素にまみれたヒロインの位置に固定する悪口サイト。ネット上でのバッシングは在日だけではなく皇室にまで向けられる。愛子まで巻き込む愛国の怖さだ。2016/05/22

ゆに

0
ものすごく知的興奮を味わいながら読んだ。『帝国と暗殺』より読みやすいが難しい。この本の本当の意義や個々の指摘の重要さを適切につかむには、まだ私の勉強が足りないのかもしれないな。2016/10/10

YasuZo

0
近代の文学において伏字という検閲が行われ、現代においても人々が見たくないものを伏字的な感覚で無関心を装い視線を背ける。著者は二元化した世界にはマジョリティとマイノリティがあり、互い記号化した敵とみなし差別化するという。伏字化した感覚で無関心を装い無視をするか、存在を無視して攻撃的になる。そしてこの「愛国的無関心」が逆転し立場が変わるのだが、結局伏字的死角の序列は両者間に存在するため互いが似たような姿を表現し、そして再び繰り返されるという。日本独特の感覚と性(さが)を率直に著した興味深い一冊だった。 2019/11/11

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