出版社内容情報
◆この息苦しい閉塞感に風穴を開けるために!
「韓国」「北朝鮮」「在日」などの記号に罵声を浴びせるヘイトスピーチ、ネット上での匿名による中傷など、最近の愛国的空気のなかには、明らかに相手は誰でもいいという「他者への無関心」があります。本書は、このような風潮を近代日本の帝国主義に基づく無関心に起因しているとして「愛国的無関心」と名づけ、その構造を近現代のメディア言説、小説、映画などを題材に明らかにしていこうとします。そのさい、かつてファシズム期に行なわれた「伏字」(危ない文章を○や×で置き換えたもの)という日本独特の検閲制度が重要な役割を果たし、我々の他者への不感性を作り上げてきたと言います。瀬戸内寂聴、徳田秋声から現代の「在日」小説までをとりあげて、斬新な視点から思想史に新風を吹き込みます。デビュー作『帝国と暗殺』の続編でもあります。
内容説明
狂熱的な愛国は、他者への無関心から生まれる。この「愛国的無関心」とも呼べる現代の風潮を、日本独特の検閲制度に起因する感性として、さまざまな物語からあぶりだす。現代の出口のない閉塞感に風穴を穿つ力作。
目次
第1部 帝国と検閲(愛国とジェンダー;伏字のなかのヒロイン;反逆の想像力;天皇制と暗殺)
第2部 物語の制度(ヒロインを降りる;帝国とファム・ファタール;帝国の養女;壊れた物語;朝鮮と在日)
著者等紹介
内藤千珠子[ナイトウチズコ]
1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、大妻女子大学文学部准教授。近現代日本語文学、文芸批評。著書:『帝国と暗殺―ジェンダーからみる近代日本のメディア編成』(新曜社、2005年、女性史学賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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渡邊利道
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田中峰和
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