内容説明
天才の少年期には共通する「心の癖」があった。自閉症から日本語まで幅広い視点で研究する著者が、脳科学の発見も取り入れ天才たちの人生をたどりなおす、新しい天才論!
目次
1章 天才と孤独
2章 レオナルド・ダ・ヴィンチ
3章 アイザック・ニュートン
4章 トーマス・アルヴァ・エジソン
5章 夏目漱石
6章 アルベルト・アインシュタイン
7章 スティーブ・ジョブズ
8章 天才と現代
著者等紹介
熊谷高幸[クマガイタカユキ]
1947年愛知県に生まれる。早稲田大学第一文学部フランス文学専攻卒業。印刷会社に勤めながら法政大学夜間部で2年間心理学を学ぶ。東北大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在、福井大学教育地域科学部特命教授。専門は自閉症者のコミュニケーション障害とその支援。現在は、これに加えて、日本語についての研究も進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mukimi
109
天才の幼少期にスポットを当てた書。家族と分断されたり、ADHDのため集団に馴染めなかったりする中で、孤独から彼らが得たもの(深い考察癖や独自の感性など)についての言及は面白いが、一番興味深いのは、一歩間違えば社会不適合になりうる彼らを導いた支援者の存在だ。小学校退学となったエジソンにつきっきりで教育を施し彼の全てを肯定し大親友でもあった母の話、建築家になろうかと迷う漱石にお前は社交性はないから社交力の要る建築より1人でもやれる文学がよいと勧めた師の話には、縁とか愛とか人生の偶然というものに胸が熱くなる。2022/02/27
マエダ
93
ダヴィンチやニュートン6人の天才を少年期からみることによって見えてくる孤独な少年期を送り自閉症スペクトラムやADHDなどに通じる心理特性などの共通点。少年期からみるのも面白いところである。2017/07/31
gtn
19
お前の頭は腐っているとエジソンに言い放つ教師。激怒した母は、小学校を辞めさせ、自ら教育を施す。エジソンはADHDの特性があったというが、母の辛抱のおかげで才能が花開く。どんなハンデを抱えようとも、人には無限の可能性があり、周りが愛情を注ぎ続ければ実を結ぶことが分かる。2019/12/06
mari
12
6人の天才のエピソードは興味深く読みました。(とくにジョブズ!)それぞれ、子どもの頃の両親との関係による孤独や自閉症、ADADなどの傾向があったとは知らず、、。著者はこういった子どもたちの存在意義や、彼らを守ることの意味を天才たちから導きだしたかったのだな、と思いました。天才になるのは本当に稀なことだし、支える方も大変さや心配があるとは思うけど、こういった事例があると少しでも頑張れそうな気が増してくるのだろうな、と思いました。マイナスにとられがちな孤独をプラスに考えて、支えられる人でいたいな。2015/04/11
れい
10
【府営図書館】研究に携わる方なのに、とても分かりやすい日本語で書かれていた。偉人を発達障害に落とし込むことが目的なのではなく、教育の多様性の必要性を訴える本だと感じた。天才が天才になるには、学校教育という枠に治まらないようだ。これを読んだことで、ニュートンの好感度が下がった。2018/03/22