多元論的自然主義の可能性―哲学と科学の連続性をどうとらえるか

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  • サイズ A5判/ページ数 306p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784788512054
  • NDC分類 113.5
  • Cコード C3010

内容説明

すべての事象は物理科学によって明らかにできる!?従来、「自然主義」とはこのようなものと理解されてきたが、本書はこの理解の誤りをただし、科学主義・物理主義をとらない「多元論的」自然主義という新たな立場を提示して、哲学と科学の関係を考え直すための新しい視座を提供する。「自然主義」とは何か、その可能性を問う。

目次

第1章 自然主義とはどのような立場か―クワインの自然主義規定とその導出経緯(論文「自然化された認識論」の概要;「自然化された認識論」注釈―伝統的認識論の扱い;初期の自然主義規定―論拠と内実 ほか)
第2章 自然主義における存在論的オプションの選択―物理主義的一元論、および代案としての多元論(存在論という問題圏;存在論的オプションとしての物理主義とその位置づけ;物理主義と不確定性テーゼ ほか)
第3章 多元論的自然主義の構築に向けて(パトナムの多元論モデル―概念的多元論と概念的相対性;カルナピアン・モデルの多元論)

著者等紹介

井頭昌彦[イガシラマサヒコ]
1975年生まれ。東北大学理学部物理学科卒業、東北大学大学院文学研究科人文社会学科課程修了(博士号取得)。日本学術振興会特別研究員、大阪大学大学院生命機能研究科特任研究員を経て、大阪大学大学院人間科学研究科グローバルCOE特任助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

わんぱら

1
さいきん存在を知って読んだが、かなり良い本。 第1章でクワイン解釈に基づいて自然主義(体系内在主義+ホーリズム)と物理主義を区別、第2章で物理主義が自然主義における唯一の選択肢出ないことを指摘、第3章でパトナムやカルナップをベースに物理主義に代わる多元論を提示。 クワイン、カルナップなどに対する(俺の)これまでの理解を丁寧な文献読解と綺麗な整理で刷新しつつ、議論の内容としても体系的かつ周到なものになっている。細かいツッコミどころはあるが、全体の論旨には影響なし。めっちゃ勉強になった。2019/05/28

1
 本書においては、多元論とか自然主義、自然科学主義、物理主義といった概念がより厳密に定式化される。第一哲学構想を放棄し、自然科学による真理の探究を外部から正当化するものはなく、真理とは我々の信念体系の中にある、すなわち人間が理性をもって世界を観る限り超越論的なものを除いてクワイン流に考えることが「理性の限界をわきまえた実際的な世界観」なのだろう。  一方「事の真相」カントの物自体のようなものだが、これはないと言っているのか自然主義の信念体系の中では扱わないといっているのかはっきりしないように感じられた。

2kz1

0
自然主義基礎論とでもいうべきもの。よく整理されている。色々と学ぶところがあった。 / 伊勢田先生が言っていた「thin conceptからの体系化」とゆーのは多元論的自然主義とつなげられるのではないか、などと。2011/11/04

tkg

0
用語は私にとって難しかったが、構成や文章は非常に読みやすく、分かりやすいものであった。手本としたいものである。2024/07/25

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