貧困という監獄―グローバル化と刑罰国家の到来

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貧困という監獄―グローバル化と刑罰国家の到来

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  • サイズ B6判/ページ数 203p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788511408
  • NDC分類 326.4
  • Cコード C1036

出版社内容情報

刑罰をめぐる新しい常識、すなわち、「貧しきを罰する」(また、これを通じて不安定雇用を常態化する)政策はどのようにアメリカで誕生し、世界に輸出されるようになったのか。これを理解するためには、さまざまな機関や行為者、言説媒体(政策顧問のメモ、委員会報告書、政府関係者による報告書、国会の議事録、専門化主催のシンポジウム、学術書や一般書、記者会見、新聞記事、テレビの報道番組など)からなる長い連鎖を細かく分析する必要がある。それは、経済の領域では「商品化」、社会の領域では「個人主義」、そして司法の領域では「貧困の処罰化」として現れる。しかし、文脈に応じて、ときには識別困難なほどに姿を変えるものの、三者は相互に補完しあう関係にある。(本文より)

内容説明

福祉国家の解体と労働市場の規制緩和―「小さな政府」への転換は、増大する貧困層を管理する厳しい刑罰政策なしには成り立たない。変貌する現代国家の矛盾をブルデュー社会学の観点から鋭く問い直し、世界19ヶ国語に翻訳された注目の書。

目次

第1部 貧しきは罰せよ!―ヨーロッパに上陸した新しい刑罰の「常識」(マンハッタン―新しい刑罰理念の生産工場;「ゼロ・トレランス」のグローバル化;ロンドン―ネオコン・イデオロギーの中継地;ヨーロッパの輸入業者と広告代理店;ナオリベ刑罰政策を飾り立てる「学術用語」)
第2部 刑罰国家への誘惑―アメリカに魅了されるヨーロッパ(アメリカの変貌―福祉国家から刑罰国家へ;ヨーロッパの刑務所の「お得意さん」;一望監視型社会に向かって;通貨統合の次は、警察と監獄の統合か?)

著者等紹介

ヴァカン,ロイック[ヴァカン,ロイック][Wacquant,Lo¨ic]
1960年フランス生まれ。現在カリフォルニア大学バークレー校社会学部教授、またパリのヨーロッパ社会学研究所(Centre de sociologie europ´eenne)研究員を兼任。学術誌Ethnography編集長も務める

森千香子[モリチカコ]
1972年東京生まれ。現在、南山大学准教授。社会学専攻

菊池恵介[キクチケイスケ]
1968年東京生まれ。現在、東京外国語大学ほか非常勤講師。哲学・社会思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Yukiko

9
アメリカは1980年代以降、経済的には新自由主義政策を展開している。この本で勉強になったことは、それと同時に社会的には社会福祉から撤退して貧困層は治安維持の対象として刑務所に収容するようになったということだ。このゼロトレランス政策はイギリスからヨーロッパに輸出され、1990年代にはフランスでも受け入れられた。この整理からフランスを眺めると、いろいろと見えてくることが多い。2023/01/31

抹茶ケーキ

3
経済体制の再編、それに続く福祉国家の崩壊によって社会の円滑な運営が困難になった。その困難を弥縫するために刑罰を頻繁に用いるような国家(=刑罰国家)が誕生した。この国家は社会的にも経済的にも社会の下層に属する人々に主に向けられる。人種問題はここに関わってくる。黒人をはじめとする少数民族は犯罪統制の獲物にされやすくしたがって収監率も高くなる。いつも思うけど日本でもこういう現象はあるんだろうか。在日の人とか部落とかを始めとして日本にも「マイノリティ」は存在するしあってもおかしくないとは思うけど。2015/11/22

2
貧困層の問題を個人の能力やモラルの問題に還元し不安定就労を福祉受給者に義務として課し、その枠組に適合しない存在をゼロトレランスの名のもとに警察力と罰則の強化によって排除する新しい政策神話。筆者の言うようにこれは新しい国家イデオロギーの問題でもあり、経済面で小さな政府を志向する政策が、社会保障から手を引きつつ、貧困の拡大が生む不安に警察力や罰則の強化によって応じ、過剰な刑罰国家化が希求される。その実現のために、しばしば根拠に欠けるデータや概念が動員され正当化が行われる。そのような現代の政策潮流への批判の書。2014/07/02

壱萬参仟縁

2
「目ざわりな貧困」とは、人目につき、公共空間でトラブルの原因となったり、不快感を与えたりするような貧困を意味する(19ページ)。野宿生活者が図書館に出没する場合は、どうだろうか。また、黒人が人種差別的に多数収監されるようだ。アパルトヘイトのような性格を否定できない。ベンサム、フーコーを踏まえ、「ソーシャル・パノプティズム)という貧困層管理法は、穏健的だとはいう。門倉貴史の地下経済の分析と合わせて、貧困な囚人の社会更生のあり方が問われるところだ。社会的排除から、包摂をどうするか、日本でも喫緊の課題であろう。2012/06/29

せがわ

2
「科学的根拠」というものの根っこの緩さや、政府の提出する結果は出る前から定められたものということなど、分野は違えど大学で研究する身としても「あーあるある」と思いながら読み進めた。責任の押し付けは恐ろしい。2010/08/26

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