出版社内容情報
日清・日露戦争をとおしてジャーナリズムはめざましい発展を遂げ、「一日だけのベストセラー」である新聞というメディアは、雑誌や書物よりもはるかに大きな市場を形成していくことになる。そのさまざまな階層から構成される不特定多数の一般読者に向けて書かれた新聞小説には、いったいどのような特質があり、読者によってどのように受容されたのだろうか。また、それを掲載する新聞メディアにはどのような力学が作用しているのだろうか。(「はじめに」より)
「「時代や社会に開かれたテキスト」としての新聞小説の面白さを照らし出すのに成功している。」(土屋礼子氏評・2月10日/東京新聞)
内容説明
新聞小説が熱狂的人気を博した時代があった。紅葉『金色夜叉』、蘆花『不如帰』、漱石『虞美人草』などを取り上げ、作者・読者・メディアの「生産と享受」という視点から文学の現場を解き明かす、気鋭の意欲作。
目次
1 尾崎紅葉と新聞メディア(活字的世界における作者と読者―紅葉文学の界面;雑報記者としての紅葉―転換期の相貌;メディア・ミックスの力学―『金色夜叉』の受容空間)
2 モードとしての新聞小説(メロドラマの時代―徳富蘆花『不如帰』の受容を軸として;始源のメロドラマ―徳冨蘆花『不如帰』を読む;メロドラマの技法―夏目漱石『虞美人草』を読む)
3 新聞小説の領分(近代京都と新聞小説―泉鏡花『冠弥左衛門』をめぐって;ジャーナリズムのなかの文学―村井弦斎『日の出島』とその読者;新聞小説と挿絵―小杉天外『魔風恋風』を中心に)
4 出版文化と文学青年(『文学者となる法』と出版文化の近代;文学青年の勢力圏―『文庫』における読むことと書くこと;自己表現のネットワーク―『中学世界』投書欄を視座として;「立志」言説の変容―国木田独歩「非凡なる凡人」の受容空間)
著者等紹介
関肇[セキハジメ]
1957年、茨城県生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、京都光華女子大学准教授。専門は日本近代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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