迷走フェミニズム―これでいいのか女と男

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迷走フェミニズム―これでいいのか女と男

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  • サイズ B6判/ページ数 200p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788509962
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C1036

出版社内容情報

 フェミニズムはいま、袋小路に入ったといわれています。フェミニズムに何が起こっているのか? これは、ボーヴォワール亡きあとのフランス・フェミニズムの第一人者バダンテールが、フェミニズムはどこで道を誤ったのか、その迷走と逸脱の現状を厳しく検証し、「これから」進むべき道は何かを力強く説いた本です。ここに見られる痛烈なフェミニズム批判を支えているのは、フェミニズムこそが「人類の歴史上もっとも根源的な革命」であり「必要不可欠」であるとする著者の信念であることを、炯眼の読者はけして見逃さないでしょう。

 実はこの二十年の間、何も変わらなかっのだ。あいかわらず女性が家事の四分の三を担当しつづける現実を前に、悔しさを感じるのも当然だった・・・。・・・ しかしながら、本物の犠牲者と偽の犠牲者を混同すると、解決を急ぐべき問題を取り違える危険性がある。遺伝的に支配する側にある男性を前に、無抵抗に抑圧される女性というイメージを強調しつづければ、このような認識を共有しない若い世代の信頼を失うことは必至だ。「犠牲者化」を続けるかぎり、若い世代の女性にいつまでも犠牲者の立場と不利益しかもたらすことができない。なんとも暗い見通しで、若い女性の日常を変える力はまったくない。それどころか、男性性の告発と女性のアイデンティティの追求に躍起になるあまり、ここ数年のフェミニズムは本来の使命をないがしろにしている。性の解放から理想化された制度的な性へと逆戻りする一方、まったく疑問視されることなく母性本能の神話が復権しつつある。共和国憲法に性差を記述する動きを正当化するため、母性によって女性性を暗に定義するという立場に逆戻りしたのはまぎれもない事実だ。・・・この十五年の間に本当に進歩したのかどうか、今こそ問わねばならない。(「はじめに」より)

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 【関連書籍】
 『 フランスから見る日本ジェンダー史 』 棚沢直子、中嶋公子編 (定価3360円 2007)
 『 マス・コミュニケーション理論 』 バラン、デイビス著 (上巻3780円 下巻3465円 2007)
 『 アイデンティティの権力 』 坂本佳鶴恵著 (定価3675円 2005)

 【新 刊】
 『 ワードマップ エスノメソドロジー 』 前田泰樹ほか編 (定価2520円 8月刊行予定)

内容説明

男はいつでも抑圧者で女はいつでも犠牲者?母性は女の本能でポルノは男だけのもの?男性虐待/少女の蛮行/男性の美容整形/女性用ポルノ…多様化する男女関係やセクシュアリティの現実を見ようとしないフェミニズムに明日はあるか。真の男女共生・男女平等への道は何か。

目次

1章 新・方法序説―女性はみな犠牲者?(混同の論理;思想面での困難)
2章 故意の言い落とし(思考不可;女性による暴力;権力の濫用)
3章 矛盾―おしつけられたセクシュアリティ(性生活の現実;飼いならされたセクシュアリティという神話;女性のセクシュアリティのモデル)
4章 退行―「女性=母性」の復権?(女は男の犠牲、男は女の犠牲;差異の強調;罠)

著者等紹介

バダンテール,エリザベット[バダンテール,エリザベット][Badinter,Elisabeth]
1944年生まれ。フランスのジェンダースタディーズの最高権威。2005年までグランゼコールのひとつ理工科学校で哲学を教え、哲学者・歴史家としての著作で知られる

夏目幸子[ナツメサチコ]
1969年和歌山県生まれ。1994‐95年、フランス政府給費留学生としてパリの高等師範学校(ENS)で学ぶ。京都大学・パリ第4ソルボンヌ大学文学博士。大阪外国語大学助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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松本直哉

25
女性=犠牲者に仕立て上げて男性性全般を敵視し、性的同意に透明性を求めるアメリカの急進的フェミニズム(それは緋文字に代表される清教徒的潔癖主義に遡る)がいまの metoo の潮流の背景にあるとすれば、これを厳しく批判して、男女間の差異ではなく類似こそが重要で、それが真の男女平等につながるという著者の主張は、metoo に批判的な意見を表明したカトリーヌ・ドヌーヴらの態度にも通じる。metoo で救われた女性も少なくないが、その行きすぎた主張がアンチフェミニズムの種を蒔いたことも事実だろう。2021/10/31

Tokujing

2
本書は一貫してラディカルフェミニズムに厳しく更に的確な批判を行っている。興味深い点は様々あるが、最も考えさせられる点は、フェミニストが陥りがちな「女性全体の被害者化」と「男性自体への過剰な糾弾」についてである。これは日本のフェミニズムにも見られることであり、フェミニズムの意義をむやみに低下させてしまう原因の一つだとも言える。バダンテールは男性の弾圧ではなく、男女の共生による男女平等を訴える。「女は男であり、男は女である」というバダンテールの言葉は非常に興味深い。2014/02/22

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