出版社内容情報
聖人ザビエルは過酷な異端審問の先兵だった! 大航海時代とカトリックの世界布教が巻き起こした地球規模の波動、20世紀のアウシュビッツへと伏流するキリスト教普遍主義とディアスポラの軌跡をインドに生きるユダヤ人たちの歴史と今に訪ねる。
・「 東洋にキリスト教を広め、後に聖人に列せられたザビエルは、異端追求の先兵でもあった。その闇の部分を鮮やかに照らし出している。 」(長岡昇氏評 朝日新聞 11/17)
内容説明
大航海時代とザビエルらの世界布教がまきおこした全地球的規模の波動。文明の背後に伏流するキリスト教普遍主義やディアスポラの軌跡をインドの地に生きるユダヤ人たちの歴史から照らし出す。西欧の思想と文学を研究してきた二人の日本人の、思索行の軌跡。
目次
序 「エスタード・ダ・インディア」とユダヤ人の運命
第1章 インドにおけるユダヤ人の問題
第2章 「インドの使徒」ザビエルとユダヤ人
第3章 インド・ユダヤ人のアイデンティティ
第4章 コーチンのユダヤ人街から
付録 ユダヤ人の離散の軌跡―歴史地理学的な復習
著者等紹介
徳永恂[トクナガマコト]
1929年生まれ。1951年東京大学文学部卒業。62~64年フンボルト研究員としてドイツ、アドルノに師事。76年イスラエルへ研究留学。大阪大学名誉教授。哲学・社会思想史
小岸昭[コギシアキラ]
1937年生まれ。1963年京都大学文学部修士課程卒業。66~68年フランクフルト大学へ留学。京都大学名誉教授。ドイツ文学
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