出版社内容情報
内なる闇と出会うことで潤い、再び外へとつながってゆく……これが深層心理カウンセリングの基調だとすれば、また渇いてしまった時はどうすればよいのでしょう? 自分自身とのコミュニケート/他者とのコミュニケートだけでは立ち行かなくなってしまうシーンは早晩おとずれます。その時こそが「転機」なのかもしれません。――本書では、登場する三者の「惑い」と三様の模索を追うなかで、深層を超えて開ける《世界とのコミュニケート》の顕現に触れてゆきます。
私たちは、みずからが閉じこめられている日常に居ながら、その足元、つまり《深い内部》へと分け入らなければならないのではないでしょうか。そうすればきっと、幽閉された“ほんとうのわたし”はこう語ることでしょう―「答えはわたしのなかにある。わたしのありようそのものが答えなのだ。」と。私たちの内部の深いところから、私たちとのつながりを求めてささやきかけている“ほんとうのわたし”の声を、ほんのかすかにでも聞くことができたとき、私たちはあたかもその智恵に導かれるようにして《内なる旅》の1歩を踏み出すことになるでしょう。そして、生きていくうえで“ほんとうに大切なもの”と出会うのです。(本文より)
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【関連書籍】
『 老愚者考 』 A・G=クレイグ著/山中康裕監訳 (定価2205円 2007.6月)
『 心理臨床の創造力 』 岡昌之著 (定価2520円 2007)
『 嘘を生きる人 妄想を生きる人 』 武野俊弥著 (定価2310円 2005)
【新 刊】
『 心理臨床の奥行き 』 河合隼雄ほか著 (定価1995円 8月刊行予定)
内容説明
「こころ」を超えて開ける対話、「深層」をくぐり抜けて辿りつく世界。内と外から語りかけてくる“本当に大切なもの”。
目次
少年が見たふたつの世界―真魚の詩と游び
リアルなわたしへ―響子の絵と音律
深みを求めて―照子の夢と覚醒
開けゆく生命―夢は「夢で終わらせるな」といった
無名の創造―または照子という名
現代におけるイニシエーションの可能性
著者等紹介
鈴鹿照子[スズカテルコ]
1941年生まれ。十数年間社会学の教員をした後退職、臨床心理学の世界へ。ユング派分析家の教育分析を受ける。現在、セラピスト。最近は東洋思想に魅かれ、そこで開かれる知恵と慈悲、自由の世界とセラピィの接点を探ることをテーマとしている
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