内容説明
戦後の児童文学の変遷を背景として、「編集職人」松居直がたずさわった翻訳絵本を年代順にたどりつつ、今日のベストセラー誕生の秘密を明かす。また海外の出版関係者・団体との交流や子どもの本を取り巻く状況についても分かりやすく語る。
目次
第1章 ISUMI会のこと
第2章 海外の絵本を翻訳出版する(『100まんびきのねこ』「世界傑作絵本シリーズ」の刊行をはじめる―一九六一年~一九六三年;『どろんこハリー』動物たちが活躍する各国の絵本―一九六四年~一九六五年 ほか)
第3章 子どもの本の編集から学ぶ―『福音館書店五十年の歩み』から(紆余曲折、絵本の翻訳出版;欧米の絵本編集者との出会い ほか)
第4章 子どもの本、世界へ―さまざまな記録から(胎動しはじめたアジアの絵本出版;ハンス・クリスチャン・アンデルセン賞を受賞された赤羽末吉氏の絵本芸術 ほか)
著者等紹介
松居直[マツイタダシ]
1926年京都府生まれ。日本美術に親しむ幼少期、学生時代を経て、旧制中学在学中に敗戦を体験する。戦後は同志社大学法学部で学び、卒業とともに1951年金沢の福音館書店に入社。1956年に『こどものとも』を創刊、昭和期を支えた数々の才能を発掘、起用する。現在、福音館書店相談役、NPOブックスタート会長、一般財団法人大阪国際児童文学振興財団特別顧問など、子どもの本の諸分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
momo
3
あとがきにあった言葉を噛み締めながら読んだ。『言葉は学校で教わるだけのものではありません。毎日の家庭の生活のなかで、知らず知らずのうちに身につけていくものです。人間の口から語られる言葉には、意味以上に、語る人の気持ちや思い、愛といったものが込められているのだと思います。』2017/07/22
みなみ
2
絵本の紹介が多いので、このシリーズを読んだ後に実際に本を手に取ってみたくなる。子ども向けの本を真摯に作ってこられた方はほんとうにすばらしいのだといつも感じる。2015/07/09
takao
1
ふむ2019/09/08
ゆうこ
1
尊敬する松居氏の本。「こどものとも」の初期に情熱をもって著者、画家、翻訳者を見つけ出し、ともに絵本を作り出していった頃の熱気が感じられた。当時の翻訳者陣の豪華なこと。 2014/10/15
NT
0
昔興味があったので。内容は作者が語る翻訳絵本の歴史と戦後の絵本に関わる国際的な枠組みや協力についての話。前者は文体が口語体だったり,ひらがなが多かったりして読みにくかった。しかし後半は戦後のアジア各国との関わり方や東西を意識せざるを得ない情勢の中での国際的な取組みなどの政治的要素や,言語を中心とした文化の違いが随所に見られて面白かった。シリーズの一冊だと気づいたのは読んでる途中。2014/09/16
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