出版社内容情報
科学技術の発展が社会の隅々まで浸透するようになった時代の関心に即して、科学とは何かをあらためて問い直す本。精選された28個の斬新な視覚から近代科学の原理的な性格と構造を洗い直し、現代の進歩が露呈し、あるいは内包する問題群を検証する。
・「二十八の話題を選んでわれわれに語りかける。注もブックガイドもきっちりついていて、たんなる「小さな旅」じゃ終わらせないぞ、という気持ちが伝わってくる」(2000年12月10日付・讀賣新聞、野矢茂樹氏・評)
内容説明
IT革命、先端医療技術、地球環境問題など、科学技術の成果が日常生活に与える影響には目を見はらされるものがある。現代人が科学について最低心得ておくべき常識を28の新鮮なキーワードで説く。
目次
第1部 歴史的視点から(サイエンティスト―科学者はどこからやってきたのか?いったい何者なのか?;科学革命1―近代科学はいつ生まれたか?;科学革命2―パラダイム変換と第二次科学革命;科学者集団―科学者の職業特性と社会的役割;サイエンス・ギャップ―ロスマンの科学神話論 ほか)
第2部 現代科学論への招待(サイエンス・ウォーズ―科学論者をやっつけろ;科学の人類学―ラボという名の密林;科学の公衆的理解―素人は本当に愚かなのか;テクノロジーの思想―技術衝迫の行方;器に住み着く知性―装置や器具の存在論 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
無重力蜜柑
8
科学哲学、科学史、科学社会学を包含する広範な「科学論」のワードマップ。第一部で主に70年代までの研究で出た古典的トピックを扱い、第二部でより「現代」的な種々の話題を論じる。それゆえ「現代科学論」で、第二部で扱われるのはサイエンス・ウォーズ、科学人類学、生政治、エコロジー、フェミニズムなど。2000年の本だがあまり古さは感じない。今なら人工知能、加速主義、反啓蒙、宇宙の軍事利用などが入って来るか。ブックガイドが充実しており割と参考になるが、著者が二人ともかなり思想・文学系なので現代思想っぽい軽さがある。2022/05/29
Akiro OUED
3
数学・物理学という文化的拘束性が低い科学に潜む政治的成分を分析するために、社会学・文化人類学・文学から科学を論じることには意義がある。ん?社会学に量子重力理論をこじつけたのがソーカルの悪ふざけだった。温暖化という全体科学を社会学で論じると、SDGsしか出なかったというわけか。2021/11/17
しゃりん
0
もう一度読みたい。骨太だなーと思ったがレビューを読むと色々あるとのこと。アマゾンレビューも面白かった。2022/06/14