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出版社内容情報
インターネット、ケイタイ、ヴァーチャルリアリティなどの電子メディアの到来とともに、これまでの社会や人格が静かに解体しはじめました。たとえばインターネットは世界中に情報を開放するメディアとなる一方で、現実の人間関係とは隔離された関係を発展させる場ともなりました。人々は自分の身体や地理という制約にとらわれない、これまで気づかなかった多重な感情や欲望に目ざめたのです。著者は言います、ヴァーチャル時代、人が確固としたアイデンティティをもてた無邪気な時代は終わり、欲望とテクノロジーとのあらたな戦いが始まったのだと。それはどんな戦いなのか、興味深い例を縦横に引きながら、繊細かつ大胆に描いてゆきます。
本書のはじめの方にラップトップコンピュータと一体になったホーキング博士のようすが語られるが、いまやその姿は街の一般的な風景である。クジラは何キロも先にいる見えない仲間と会話をするというが、今日の私たちも人工補完具を携帯することで、そんなあたらしい感覚能力にとりつかれつつある。その結果、私たちは自分の身体の居場所と同時に別の空間にも現前するという忍者感覚を常態的に持つようになった。(訳者あとがきより)
・「月刊アスキー」99年12月号刊、粉川哲夫氏評
・「出版ニュース」99.11中
・「週刊金曜日」99.12.24
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【関連書籍】
『 マス・コミュニケーション理論 』 バラン、デイビス著 (上3780円 下3465円 2007)
『 存在論的メディア論 』 和田伸一郎著 (定価3990円 2004)
『 本が死ぬところ暴力がうまれる 』 B・サンダース著 (定価2993円 1998)
内容説明
ヴァーチャルリアリティのなかで増殖する自己、溶解する身体とテクノロジー。
目次
性と死と機械装置、あるいは人工補完への私の恋
集合構造
あやうい自己たち―オシュコシュの町で見たアイデンティティ
目新しい状況にて―女装の精神科医
再発見と出会い―理論のために一息
エージェンシーと近接性―コミュニティ/コミュニツリー
無邪気さの終わり(アタリラポ、サイバーの夜明け;ウェルスプリング・システムズでのサイバーの夜明け)
結論―ヴァンパイアのまなざし