出版社内容情報
類人猿やイルカは高度なコミュニケーションをするにもかかわらず初歩的言語さえもたないのはなぜか。なぜ人間だけが言語をもつのか。言語と人間の脳との共進化にこそその秘密のあることを広範な研究から明らかにして,従来の定説に挑戦した話題の書。
言語が事物、事件、関係を表すというのは、すぐれて協力かつ経済的な表示形式である。それによって無限に新しい表象が生まれ、事件を予測し、記憶を体制化し、行動を計画するという、前例のない推理機構ができ上がる。人の思考と世界認識の様式がすべて形成される。それはヒトの知能に深く浸透し、かつ不可分で、ヒトの知能の中に言語によって形成洗練されないものを見分けるのは難しい。この世代違いを説明し、このなかから進化の状況を明らかにすることは、ヒトの起源の究極的課題である。(本文より)
・「本書は、このような人間という生き物の特殊性の根源が、ものごとをシンボル化して表す能力にあったとし、ヒトに特有のさまざまな能力がそこから派生してきたことを説くものである。」(朝日新聞 99.6.20 長谷川眞理子氏評)
・「出版ニュース」99.6.中 堀川 哲氏評
・「サイアス」 99.9月 内田幸夫氏評
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【関連書籍】
『 二歳半という年齢 』 久保田正人著 (定価2310円 初版1993を復刊)
『 心の発生と進化 』 D・プレマック、A・プレマック著 (定価4415円 2005)
『 人間はどこまでチンパンジーか 』 ダイアモンド著 (定価5040円 1993)
内容説明
ヒトを他の動物と分かつもの。言語と意識の起源を200万年の人類進化史と最新の脳・神経科学、心理学の成果から解き明かすスリリングな探究。
目次
第1部 言語(人間のパラドクス;言葉がないとき;記号は単純ならず ほか)
第2部 脳(知能の大きさ;育ち分かれる;ダーウィン式回路技術者 ほか)
第3部 共進化(言葉は肉体となりて;記号の起源;心は儲けもの ほか)
感想・レビュー
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